ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Got Part -神の一部- オリキャラ募集中 ( No.158 )
- 日時: 2010/09/26 15:45
- 名前: 輝咲 ◆7kKwdRQzyk (ID: 8e2lADcR)
●3章 part弐
——いつもなら、まだ寝ている筈の時間。
「れいちぇる!!!!」
バタン!!
うさみの大声と共に、零衣が寝ている部屋のドアが勢い良く開かれる。
その声とドアの音で、目が覚めた零衣。
頭をボサボサと掻き、目を細くしてうさみを睨む。
「何の用だ?」
機嫌斜めの零衣にとっては、早く用を終わらせて寝たい。
すぐに本題に入った。
「朝だよ! 学園に行くんだよ!」
朝っぱらから、テンションが高い野郎だ——と零衣は呆れ顔になってしまう。
そして、「学園」という言葉を聞いて、嫌な予感がした。
「アイツのとこまで連れて行け?」
「アイツ? ボスのこと?」
「あぁ、そうだ。」
零衣はベットから立ち上がり、服の皺を直す。
昨日そのまま寝てしまったため、皺が出来てしまった。
「じゃ、行こっか。」
部屋を出て、ロビーに行く廊下を歩く。
ロビーに着くと、廊下のすぐ隣にあるエレベーターに乗った。
このエレベーターも大理石で出来ていて、ガラスがない。
うさみが「30階」のボタンを押し、一気に高速で30階まで上がる。
「あ〜……!!」
何故か、うさみの様子がおかしい。
両耳を指で押さえている。
「どうしたんだ?」
「耳の中が圧されている感覚がして……。れいちぇるは感じないの?」
「私は多分、『感情』というものが薄れている。だから、何も感じない。」
零衣はそろそろ分かっていた。
左眼がおかしくなってから、「感覚」というのが分からないことに。
今にとっては、もう「感覚」の記憶はない。
「そうなんだ……。なんか、可哀想だね……。」
「可哀想……?」
うさみが何を言っているのか、零衣には理解できない。
まず、「可哀想」の言葉の意味すら知らないというのに。
「うん。どうやって言葉にしたらいいのか分からないけど……。」
うさみの声がどんどん小さくなっていく。
何かを言いたそうだった。
そんな話をしていると、エレベーターが止まった。
30階に着いたみたいだった。