ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Got Part -神の一部- オリキャラ募集中 ( No.159 )
日時: 2010/09/26 20:34
名前: 輝咲 ◆7kKwdRQzyk (ID: 4vtppfc1)

●3章 part参


エレベーターを降り、一直線の廊下の突き当たりでうさみは止まった。
今まで見たドアの造りが違い、ここのドアだけ厳重にされている。
ドアのパネルに番号が打てるようになっていて、それをうさみは素早く打ち込む。
プシューと音がし、ドアが横に開く。

「朝っぱから、何のようだ?」

部屋の奥で、呉阿がいた。
ガラス製のデスクの上にはパソコンと大量の資料的な物があり、呉阿はそれを整理しているところだった。
——こんな朝から、よくやれるもんだ。

「れいちぇるがボスに用があるらしいんだけど。」

零衣は呉阿の元まで歩み寄り、デスクをバンと叩いた。

「おい。『学園』って何だ? どうして私がそんなととをやらなくてはいけないんだ?」

「まぁまぁ、落ち着け。」

呉阿はデスクにあった1つの資料を手に取り、零衣に手渡す。

「何だ此れ?」

「『学園』の説明書。」

「……。」

そう言われ、渋々資料に目を通す。
資料によると——。
学園というものは、武術を極め、魔術を会得し、この世の悪である「魔物」を倒すために建てられた場所。
13から20歳まで武術か魔術を学び、魔物の戦場を駆ける。
どちらかの部門を選び、それにあった授業をしていく。
午前9時から授業、午後3時で下校。
放課後の活動とかはなく、個人でサークル等を作っていいらしい。
——大雑把にしか書いていないが、ある程度は分かった。

「で、私が此れに行けと?」

「そうなるな。まぁ、入学届けは出したし、行ったら分かる。別に厳しい校則とかないし、うさみに連れて行ってもらえ。」

「面倒なことじゃないだろうな?」

「自分次第だ。」

「もういい。」

零衣は踵を返して、部屋を出て行く。

「えっ……! れいちぇる待ってよ!」

零衣を追いかけるように、うさみも部屋から出て行く。
独りになった呉阿は、ポケットから煙草を取り出し、火を点けた。

(本当に面倒なことにならなきゃいいがな——。)


「れいちぇる? 学園に行くの?」

エレベーターに乗り、うさみは問いかけた。
零衣は壁に凭れかかり、口を開く。

「仕方ないだろ。面倒すぎて嫌だが、行ってやるしかない。」

地上に着いた。
用意とかなさそうなので、そろそろ行こうとロビーから出る。
——まただ。
太陽の光が眩い。
いつも見て思う。
あんなに燃えているのに、何故燃え尽きないのかと。

「学園まで少し距離があるけど、頑張ってね。」

ニコっと笑ううさみ。
笑顔でそんな事を言われても、何もならないってのに——。
どれだけ距離があるのか分からないが、兎に角うさみについて行くしかない。

「先に言っておくと、アレが学園なんだ。」

そう言って、空を指しているのかと思えば、よく見てみると、指の先はとある建物を指している。
一瞬、時計台かと思ったが、違っていた。
——結構遠くにある。

「ざっと、30分はかかるかな?」

「そうか。もう行こう。」

2者一緒に並んで道を歩く。
やはり辺りは、ビルで囲まれている。
自分らと同い年が同じ方向を向いて歩いていた。

(こいつ等も『学園』ってとこに行ってるのか?)

ふと、そんな疑問が浮かぶ。
——よく、そんなとこに行くよな。
零衣は呆れ顔になってしまう。

「どうしたの、れいちぇる?」

不自然に思ったのか、うさみは心配そうに話しかけてくる。

「別に、なんでもない。」

「そう……。」

——などと……話していると、もう学園というとこに着いた。
間近で見てみると、物凄く大きい建物だった。
敷地はそこらのドームなどの10個分ほど。
緑はあまりなく、棟が建て並んでいる。
それよりも驚いた事が——。

「者の数が多いな。」

零衣達は今、門の前にいる。
ゾロゾロと者が入っていく。

「だって、街の半分ぐらいの者がここの学園にいるし。」

うさみは門を潜って、校舎へと入っていく。
零衣もついて行き、辺りを見渡す。

「ホント……変わった世界だな——。」