ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Got Part -神の一部- オリキャラ募集中 ( No.162 )
- 日時: 2010/10/01 20:03
- 名前: 輝咲 ◆7kKwdRQzyk (ID: SSNg/Zhu)
●3章 part四
「どこに行くんだ?」
校舎に入ってから、ずっと廊下を歩いていた。
——早く座りたい。
「校長室だよ。一応転校生として、れいちぇるは扱われるから、校長には挨拶しないといけないと。——ってボスに言われた。」
「アイツか……。」
零衣はアイツ——呉阿があまり良い奴とは思ってはいない。
強いか何か知らないが、アイツが言うことが全て正しい事を言うのが気に食わない。
「まぁ、すぐ終わるし大丈夫だよ。」
「……だといいが。」
零衣は小さく呟いた。
なんか——面倒になってきた。
「あっ……着いた!」
如何にも、おかしなドアの前に着いた。
壁の柄とは似合わない豪華なドアだ。
うさみはコンコンとドアを叩き、部屋に入る。
「転校生を連れてきました。」
「ご苦労さん。」
校長といえば、年老いた者と思ってたが——。
予想以上に若い。
ぱっと見、30歳後半の中年男。
無精ヒゲを生やし、体格はがっちりしていて、武術が出来そうな男だ。
「君が転校生かぁ。確か、武術科の2つ星クラスに入るんだよね?」
「はぁ……。」
「うん、早速だけど——」
校長は大剣を瞬時に胸から取り出し、零衣に向かって机からジャンプした。
「——!?」
少し戸惑いながらも、零衣も阿修羅を取り出し、攻撃を受ける。
うさみだけそのスピードについていけてなかった。
キリキリと武器が擦り合うが、零衣は攻撃を弾き、校長との距離を開ける。
部屋が狭く、距離がとりにくい。
しかし校長も、さっきいた場所まで一蹴りで戻った。
なんて脚力だ——と零衣は驚く。
「いやぁ〜凄いね君。殆どの生徒は、今の攻撃は驚いて避けるんだけど、君は受け止めた。吃驚だよ。」
微笑みながら、校長は取り出した武器を胸に直した。
零衣も警戒をしながらだが、武器を直す。
「別に。この部屋は狭いから、避けるのが難しいだけだ。だから、仕方なく受け止めたんだ。」
「でも、そんなことが一瞬で判断できるなんて。君は間違いなく、クラスのトップになるよ。」
「ふん……どうでも良い。」
「じゃ、そろそろ授業が始まるから、冬野さんは先にクラスに行かないとね。」
「はい。」
そう言って、うさみは部屋から静かに出て行った。
何故か、その時のうさみの表情が暗かった気がした。
