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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 貴方に真っ赤に染めたあの薔薇を・・・ ( No.4 )
- 日時: 2010/05/25 20:07
- 名前: 紅 (ID: twjanxuI)
第2話
「女王様、花が届いております。」
家臣が朱音に花を手渡す。
花から香ったのは、薔薇の香りではなく・・・
鉄の香り・・・
何処かで嗅いだつんとくる臭い・・・
その時朱音の携帯が鳴った。
「朱音ちゃ〜ん♪気に入ってくれたかしら?
私特製の血の薔薇は・・・?
気に入ってくれたらうれしいなぁ〜。
もしも捨てたりしたら・・・
貴方で作るよ・・・その薔薇。
一本ずつ毎日送るからね・・・
捨てちゃダメだからね・・・・・・?」
その声は花蓮のものだった。
窓の外を見ると花蓮がこっちを向いて笑っている。
顔は帰り血まみれで真っ赤だ。
服が真っ赤なのは元々だが・・・
白いはずのエプロンが真っ赤に染まっている。
そして何より驚いたのが両手に持っているものだった。
片方には今にも鼓動を放ちそうな真っ赤な心臓。
もう片方には花びらが所々紅い薔薇だった。
「イヤッ!!!」
朱音は薔薇を投げ捨てた。
が、その瞬間窓ガラスが割れた。
また花蓮から電話がかかってきて、
「だから、捨てないでってばぁ〜。
もしも花瓶に入れてくれなかったら・・・
貴方コロスヨ?
死にたくないでしょう?
花瓶に入れて窓際に飾って置いてね?
そして貴方も窓の近くで寝て・・・?」
花蓮はそれだけ言うと去って行った。
ただ一人、
見張り役という名が似合う
三月兎の夏樹を残して・・・・。
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