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Re: 〜The stop world〜9話うp♪ ( No.33 )
日時: 2010/05/31 17:11
名前: ハバネロ (ID: EWcIN/Ij)

【悲劇の始まり 本城琢哉の過去】
 
時間停止日2012年から2年前

当時21歳の本城琢哉は、マニプラット・エンタープライズで働いていた。
‘薬品取扱顧問’という職に就き、毎日誰よりも一生懸命に働いていたのだった。
その日も本城は誰よりも早く職場にいた。
「おぃ〜っす。いつも頑張ってんな、本城。」
デスクで資料をまとめる本城の後ろから、だらしない口調で話しかけてくる男性。
「あっ!古谷先輩、おはようございます!!!」
明るい口調で話す本城に、古谷はつい微笑んでしまった。
「お前、あんま無理すんなよ。」
「はい!!ありがとうございます!!!」
本城は上司である古谷に優しい声をかけられることが、仕事を頑張れる支えなのだ。
そんな日がいつも続いていた。しかし、悲劇は突然襲ってきたのだった。

『昨夜未明、マニプラット・エンタープライズ社の社員である古谷辰男さん30歳が自殺していることが判明しました。』

自宅にいた本城はテレビを見て呆然とする。
優しい上司の突然の死。自殺と聞いた瞬間、それは嘘だということは分かった。
そして、その翌日に会社に出勤し、恐るべき真実を知った。
職場に着くと、社員がそれぞれのデスクの前に立ち、なぜか社長である賢治がいた。
「昨夜亡くなった古谷君は、政府が粛清した。真実を公に発表する者は誰であろうと消すのだ。分かったな?」
賢治の言う言葉に、本城は唖然とした。
そして、時間が停止してから知った。

マニプラット・エンタープライズ社全体が、政府に力を貸していたこと

そう。この会社全体が時間停止の原因を知っており、政府に力を貸したのだ。
その後本城は、時間管理府に潜入し、上司の仇を討つために四国・中国地方治安部隊隊長まで昇格した。
現在のだらしない口調は上司を忘れないために使用しているもの。
会社全体をこのようにしたのは、当時の社長であり現在の社長、小沢賢治。
古谷は時間停止のことを国民に話そうとし、無駄死にした。

__________


「これが真実さ。この男のな・・・」
本城は過去の話を止めると、拳銃を握る手に力を込める。
賢治は動くこともできずにただその場に立ち尽くす。
「古谷先輩はあんたのせいで死んだ。あんたが政府に力を貸さなければよかったんだ。」
「お父さん・・・・本当なの・・・・・・・?」
理子は呆然とした表情を賢治の顔を見る。
賢治は何も言うことができず、後ろに後ずさる。
「お前は善人だった俺や先輩を悪に仕立て上げた。俺はそれが許せないんだよぉぉぉぉ!!!!!!」

バン!!バン!!

社長室に銃声音が2発響き渡る。
と、同時に賢治は心臓に2発喰らいその場に倒れる。
「お父さん!!!」
「心配ない。すぐに後を追えるさ。」
本城は振り向きながら秘書の頭にめがけて引き金を引く。
秘書は突然のことで何もできず、そのまま即死。
理子はどうすることもできず、涙を流しながら目を閉じた。
「さようなら。」

「待て!!!」

バン!!

ドアが勢いよく開き、田中が銃を撃ちながら入ってきた。
本城は田中の顔を見ると驚き、思わず後ろに下がった。
「お前・・・・」
「本城!?なんでこんな場所に!?」
田中が驚いていると、後ろから桃子と心一も現れた。
2人は理子を見ると、顔を合わせて驚く。
理子の方も突然現れた3人を見て唖然としていた。
「嘘!?アイドルの小沢理子!?」
「はぁ!?え、てことは・・・・・・まさか・・・」
「そのようだな」
田中は理子を見ながら言う。




第3の選ばれし者は_______



小沢理子______