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Re: 〜The stop world〜18話うp ( No.70 )
日時: 2010/06/06 10:01
名前: ハバネロ (ID: EWcIN/Ij)

【VSブラック&ホワイト 中編】

関所から1キロほど離れた断崖

ブラックと湟謎は激しい攻防戦を繰り広げていた。
「オ前・・・・強イナ・・・・・」
ブラックは日本刀を振りかざしながら湟謎に言う。
仮面をかぶっているからよく分からないが、恐らくブラックは楽しんでいる。
湟謎は攻撃を避けると、先ほど治安部隊から奪った銃で射撃する。
「効カナイヨ。」
ブラックはありえない動体視力で弾を日本刀で跳ね返す。
湟謎はさすがにその行動には驚き、跳ね返った弾をギリギリで避ける。
「化け物かよ。てめえら政府は絶対殺す。」
湟謎は銃を捨てると、見たことのない戦闘スタイルになる。
「何ダソレ?壊レタノカ?」
ブラックは日本刀を握りなおし、湟謎に向かって走り出す。
「黒法・・・四回!!」
湟謎はブラックが日本刀を振り下ろした瞬間、4回連続で回転蹴りをした。
さすがのブラックもこの攻撃を全て受け止めきれず、最後の一発を腹に喰らった。
「ウッ・・・・」
ブラックは日本刀を落としていしまい、そのまま日本刀は崖から落ちて行った。
「ヤルネ・・・ジャアコッチモ本気デヤルヨ!!!」
ブラックは湟謎同様、回し蹴りをしながら素早いスピードでパンチを何回もしてくる。
負けじと湟謎も攻撃を避け、一瞬のすきをついてブラックの仮面に蹴りを入れた。

ピシッ!

仮面にひびが入り、右半分が割れて地面に落ちた。
湟謎は仮面の下を見て驚愕する。
なんと、仮面の下は女性だったのだ。
「女だったのか・・・・」
「だから何?あんたは絶対に殺す!!!!」
ブラックは変声機が取れたために地声でしゃべる。
「なんで政府に手を貸す!!奴らは悪だぞ!?」
湟謎はブラックの攻撃をかわしながら話しかけた。
しかし、ブラックは聞く耳を持たず攻撃を繰り返す。
「くそっ!!じゃあくたばれ!!!!」
湟謎の目つきが変わり、ブラックの顎めがけてスカイアッパーをする。
その瞬間、左ついていた残りの仮面が取れ、結んでいた長い髪がほどけた。
「黒法・・・・八回!!」
湟謎はブラックの腹に7発の鳩尾を食らわし、最後に顔面めがけてひざ蹴りを喰らわした。
地面にたたきつけられたブラックは、顔面から血を流しながらもその場から立ち上げる。
「はあはあ・・・・あんたに・・・・何が分かる・・・・」
ブラックは千鳥足で湟謎に近づく。
しかし、途中で力が尽き倒れてしまった。
「もうやめろ。決着はついた。」
湟謎はブラックに近づくと、哀れな目で見下ろす。
「あんた・・・親・・・いる・・・?私とホワイトは捨て子・・・・」
ブラックは湟謎を見ると、足を震わせながら立ち上がる。
湟謎は何もせず、目の前に立つブラックの顔を至近距離で見つめる。
「私たちは生後・・・・2か月で捨てられ・・・・政府に拾われた・・・・・」
ブラックは振り向き、その場に座りこむ。
「私たちは許さない・・・子供を捨てるなんて最低よ・・・・だから復讐を誓った・・・・」
ブラックは落ちていた仮面の残骸を拾い上げると、海に向かって投げる。
しかし、海の時間は止まっているために仮面が音上げて海面の上に落ちた。
「私とホワイトは双子・・・・2人で両親に復讐をするために・・・・政府に手を貸す・・・・」
湟謎は何も言葉が出ず、だたブラックを見つめていた。
「同情はしないで・・・行くなら行きなよ・・・・」
湟謎は振り向くと、再び関所に向かって走り始めた。

残されたブラックは空を見上げると、自分の今の状況を考えていた。
恐らく、これで総理の信用を失くした。
自分たちはどうなるのだろうか・・・?
「もう・・・疲れたよ・・・・」
ブラックはそう言うと、崖の近くまで来た。
自殺・・・でも・・・・
ブラックは自分が逃げていることに気付き、足を止めた。
「復讐は必ずやる・・・・」
ブラックは振り向くと、足を動かし森の中へと消えた。