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Re: 〜The stop world〜19話うp ( No.73 )
日時: 2010/06/06 14:06
名前: ハバネロ (ID: EWcIN/Ij)

【VSブラック&ホワイト 後編】

津軽海峡線関所前

ホワイトは腰から真っ白な2丁拳銃を取り出し、4人に向かって構える。
「イノチゴイナラ、イマガソノトキダヨ?」
「なめられたもんじゃな。」
宮下は戦闘態勢に入ると、桃子と理子の方を見る。
「君らは先に行け。ここはわしと雅焔で十分じゃ。」
理子と桃子は顔を合わせ頷くと、関所のドアを越えて海峡線へと入った。
「イケルカナ?」
ホワイトは桃子の頭に狙いをつけた。
その時だった。

「どこ見てるの?」

雅焔がホワイトの右手を攻撃し、拳銃を一つ踏み壊した。
ホワイトは雅焔に向かって発砲するが、雅焔は怯みもせずに平然と弾を避ける。
「ヤルナ・・・コレナラドウダイ?」
ホワイトは腰から手榴弾を取り出すと、ピンを抜いて雅焔に投げた。
雅焔は突然の攻撃に動くことができない。
「安心せい。」
すると、宮下が後ろから手榴弾に蹴りを入れホワイトに反した。

「エ・・・?」

手榴弾がホワイトの顔に当たったその時、眩い発光とともに周りに爆音が響いた。
「ぬぉ!!」
「きゃ!!!」
雅焔と宮下は地面に伏せ、熱気と爆風から身を守る。

しばらくすると、周りは静かになり2人は立ち上がった。
2人の目の前にはショートヘアーの若い男性が一人、上半身丸焦げで倒れていた。
息はしているようだが、状態を見ると長くは持ちそうにない。
「まったく・・この連中は・・・・」
宮下がため息をつくと、目の前から湟謎が現れた。
「な、何の音だ!?・・・あっ。」
湟謎は丸焦げになって倒れているホワイトを見ると、宮下と雅焔を見る。
「決着はついたのか?」
「あぁ。先に行った2人に追い付こう!!」
宮下はそう言うと、3人で関所を越えた。

**********

「馬鹿どもが。」
宮下達が行った後、なぜか物陰から桐谷が現れた。
「本城に続き、この双子もやられたか・・・・」
桐谷は関所を見ると、先に進もうとしたが足を止めた。
「・・・まあ、どうせまた会うことになるだろう。その時が貴様らの最後だ。」
桐谷はそう言うと、ホワイトの体を抱えてその場を後にした。

**********

津軽海峡線

海の上に北海道まで続く長い車道を、桃子と理子は合流した宮下達と歩いていた。
周りには敵もおらず、余裕で北海道につきそうだ。
「でも、心一君と田中さん大丈夫かな・・・?」
「・・・お前さんたち、政府に追われてるんじゃろ?」
宮下は前を歩く桃子と理子に問いかける。
理子が頷きながら答えた。
「そうですよ。」
「それなら、桐谷駿冶という男を知ってるかね?」
宮下の言葉で、桃子と理子の顔つきが変わった。
桃子が振り向き、宮下に向かって言う。
「あいつのせいで私たちはバラバラになったんです!!・・・・でも、なんで?」
「いや・・・ちょっとな・・・・」
宮下は2人を追い抜き、先頭を歩き始めた。
桃子と理子は顔を合わせて首を傾げた。
思えば、宮下には不審な点がいくつかある。
戦闘に慣れているし謎が多い。
そこで、桃子が思い切って宮下に尋ねた。
「あの、宮下さんってなんで強いんですか?」
「元自衛隊じゃ。今の熊本総理おるじゃろ?あいつはわしと同じ隊のメンバーじゃ。」

「・・・・・はぁぁぁぁ!?」

桃子と理子は宮下のカミングアウトに唖然とする。
そんな人物とは知らなかった。まさか、総理の親友だなんて・・。
「ほかに何か質問はあるか?」
「えっと・・・。なんで地下に住んでたんですか?」
「身を隠していたのじゃよ。わしの家は桐谷に燃やされた。」
「桐谷に・・・?でもあいつは関東の隊長ですよ?なんで青森に・・・」
桃子が首を傾げて聞くと、宮下は信じられない言葉を口にした。

「桐谷は・・・・わしの息子じゃ・・・・」

宮下は足を止め、4人の方を振り向く。
桃子と理子は色々な真実を受け止めきれずに頭がパニック状態になる。
「え!?は!?で、でも、なんで息子がお父さんを・・・・」
「歩きながら話す。始まりは・・・時間停止日の2年前だ・・・」


そして、桃子と理子は桐谷の衝撃的な過去を知ることになるのだった。