ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.15 )
- 日時: 2010/05/30 00:43
- 名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)
起き・・・・
ぎゃあああああああうわああああああああなんだこここここここ
あと貴方だれれれれれれ!?んんんんん、頭!?血飛沫あと頭!?
起きた途端にこれとはなんというどっきり動画、なんて怖さ紛らわしに考えてみた。
「お早う進くん。いい夢は見れたかな?」
「あ、う、お早うございます・・・えっと・・・ひな、ないさん?」
「うん。記憶は少し引き継がれるんだね。まぁいいや俺は雛乃沙紀。驚かせてごめんね、もうここは用無しだから帰ろう」
「いや、あの、僕予知夢を・・・、ここで女の子が・・」
「?悪夢だったね、まぁいいや。おいで」
何なんだよもう・・・あと記憶が引き継がれる?意味わからん、なんなんだこの人。でも予知夢は見た。ここで雛乃さんが隣の付き添いっぽい女の子の頭が吹っ飛んで血の海ができてそれでそれでなんか寝?ん?なんで大量の頭が?あれ?剥製?雛乃さんの白衣になんで血痕?血糊?
「あの、なんで僕はここに?」
「さぁ、僕も知らない。自問自答してみれば答えが掴めるはずだよ。」そういってにっこりと微笑む雛乃さん。どうもミスマッチだ。なんでこんなに爽やかな青年が大量の頭をバックに微笑むんだ?どうも状況が理解できない。
首もとがむしむししてきたかと思ったらそういえば包帯巻いてたんだっけ、いい加減に外さないと蒸れてぐちゅぐちゅになる。
テープで留められた包帯の端の部分を持ち、剥がしていく。それを興味深そうに見つめる雛乃さん。
「手伝おうか?」
「すいません・・・端っこ持っててもらえません?」
「了解。でも一端外出ない?」
「わかりました」
そう言って僕の手を引っ張っり事務所らしきところを抜け、だだっ広い白い空間に出た。
「ここにいた記憶は?」
「えっと・・・赤いソファーとガラステーブルがあった気がします・・」
包帯をほどく手は休めずに雛乃さんが聞いてくる。
知らねぇよそんなの。
でも頭の中で何かがひらめき、それを口走るだけ。兎に角そんな覚えなんてないし適当に答えるだけだ。
首がすーすーする。鬱陶しい包帯の下で眠っていた傷口と絞めた痕が痛々しく、生々しく残っていた。
「どうしたの?自虐?」
「さぁ・・・もともとこうなんですよ・・」
「興味深いね。裕にでも聞いてみるよ」
ゆう・・・?誰それ?
目の前は真っ白な廊下、真っ白な床、壁、天井。蛍光灯までが白く彩られていた。ここに“色”と呼ばれるものなんて僕と彼くらい。でも雛乃さんは白衣だから白いようなもの。僕のパーカーだけがなんだか浮いていて申し訳ない気がした。
奥に見える赤いソファーだけが情熱的に自らを赤赤と主張している。
で、一番引っかかったのがあの“頭”のこと。
言われたとおりに自問自答するとポンポンその答えが生まれてくる。見た覚えだって、聞いた覚えだってないのになんでこんなに鮮明に浮かぶのだろう。
考えたくもないようなグロテスクな情景。血溜まりの中心に立ちすくむ自分。そんなことすら頭に刻み込まれている。
「大丈夫?」
知らず知らずに首に手をかけていたらしい。別にいつものこと。心配しなくても・・・。
それももしかして僕の妄想かも、想像かもしれない。