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Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.8 )
日時: 2010/05/30 00:37
名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)

下駄箱はまったくもって・・・あ、裕理さん早い。もう来てる。
で、教室には誰もいない、と。
教師に置き手紙だけして保健室の鍵を借りて直行。
あれ、無い?
ってことはもう保健医来てんのかな?
保健室の扉を左側に引くと裕理さんと思われし頭が見えた。
「早いね裕理さん」
「あ・・・お早う、進くん。今日はちょっと体調が良くなくてお父さんに早めに学校送ってもらったの」
天使の笑顔、そう例えようか。
そんな感じでにっこりと微笑んだ裕理さんは無駄に高級そうなムードを出しているソファーに腰掛けながらそう言った。
でもこれで一日中ってちょっと気まずい気がする、あ、でも途中から寝るしいっかなー?
薬を丸テーブルの目のつきやすいところに置いておく。すると、彼女はそれを珍しそうに覗きにいった。まぁあの量だったら驚くわな、凡にカプセルが4つに錠剤が6つ、粉薬が2つ。
粉薬はめちゃくちゃ苦いし半端ない量だし、錠剤はばかでかいし。
「何の薬?」
「相変わらずの眠気起こさせないやつ。効果なしに等しいけどさ」
くすくすと笑う裕理さん。ちょうどそのころから生徒が学校に入り始める。無駄に早く来て朝練をしている生徒もときどきいるが、ほとんどはこのぐらいに登校してくる。

「私、先生に出れないってこと伝えてくるけど、進くんの分も伝えてこようか?」
親切だね
「有り難う、よろしくねー」
ぱっと手を挙げ、顔の横でひらひらさせるとまたくすりと笑い部屋から出ていった。
それと同時に竣が駆け込んできた。
朝の静寂をぶち壊した彼を冗談半分で睨んでいると焦ったようにこちらへ走り寄ってくる。
「お前テスト!良かったな、おみごと1位獲得おめでと!」
え、まじ!?
以外と朗報だった。うれしい、地味にうれしい、と同時に先ほどまでのすさまじい頭痛が襲ってくる。
だが彼の視線は開きかけた学ランのホックの向こう側に集中していた。包帯だもんな、しょうがないか。
頭を押さえながらその結果を竣に問いかける。
「で、何が1位?どうせ国語は裕理さ・・・」
「いやいや、実は国語は裕理は4位ぐらいだったんだけど!で、進が1位なのは国語と英語ね」
「・・・それ以外は」
「ずば抜けて裕理が1位でしたー。いつも通りのオチですよ」
「総合」
「お前さんは相変わらずの2位」
少し残念そうな顔をしながら友人の快挙を祝っている、そんな表情。
で、視線は僕の首もと。もう包帯なんてお前だってしょっちゅうだろ、こっちばっか見んな。
国語と英語が1位だったとしても結局裕理さん。
上の人を馬鹿にする気はないし下の人間を踏みにじるのも府に落ちない。でも気になる竣の成績。
「俺?あ、総合は34位だった」
「おめでとう、でもなんだか面白くないけど」
「うるさいなー!!前よりは上がったじゃんか!もうちょいでシルバーゾーンだしさ」
ブロンズゾーンとは30位から20位までのこと。なんだか昔の味がするが、先生たちの呼び方だったらしい。現在はどうなのか知らん。
で、19位から10位までがシルバーゾーン、9位から5位までがゴールデンサークル、で僕のいる4位から1位がプラチナサークル。
なんでゾーンからサークルになるのか疑問だがそこは突っ込まない方向でいこう。
裕理さん・・・相変わらずすごいな・・・。
でも僕は今回社会と英語しか勉強してないし結構いい成績は取れたと思ってる。う・・・・頭が・・・。