ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.9 )
- 日時: 2010/05/30 00:38
- 名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)
「・・・あのさ、包帯どしたの?」
「喉が痒くて掻いたらちょっと、ね」
首の後ろが落ち着かないと思ったら包帯が外れていた。
あとで裕理さんにでも直してもらおう。
まだ微かに血が滲んでいるらしく、包帯の下部はぐっしょりとしていた。竣の前で取るわけにはいかないし頭も痛いし・・。
立ち上がって頭痛薬を取りに行くと心配したように竣が薬に手を伸ばしてくれた。
「ありがと」
「・・・頭痛?」
「うん。風邪引いてね」
薬の大量摂取なんて言えない。
きっと頭痛も薬の副作用なんだと思う。
喉がひりひりするのと同時に頭痛が襲ってくる、というのも結構キツいんだなーと思った。
ふと放送が流れたかと思うと、チャイムがいつものように鳴り響く。なんだか裕理さん遅いなーとか思いながら竣に目で合図した。
「あ、じゃまた来るから」
「じゃね」
いなくなったのを確認して首に巻かれた包帯を引き剥がす。
しまった、強くやりすぎた。
せっかく血餅たちが瘡蓋を作ってくれたというのに無理矢理それをめくってしまった。
また溢れでる血液。やばい汚れる。
あわわと思いながら首元を用意されていたタオルを当てているといいタイミングで裕理さんが戻ってきてくれる。
彼女は焦ったように包帯をとりだし、慣れた手つきで巻いてくれた。
「ごめんね、ほんとごめん、ごめんごめん僕の不注意で・・・」
「危なかったね・・・痛くない?首絞まってない?」
「ありがとう、丁度いいよ」
あははと微笑むと裕理さんもつられたようにくすり、と笑った。
あと知らないうちに彼女の手も僕の手も血液でぐっしょりだ。
自分は兎も角、さすがに他人に自らの体液をつけたままほおっておくのは居心地悪い。
彼女の手をとり、濡れたタオルで拭き取ってやると心底恥ずかしそうな表情をしながら僕に話しかける。
まだ血は乾いていなかったようで手に付着したそれは思ったよりもきれいにとれた。
「ごめんね・・・迷惑かけちゃって」
「僕だって他人に・・・」
「ううん。私保健委員だからこんなのしょっちゅうだし、それに気使わせちゃって・・」
わずかに紅潮した頬に両手をあてて窓の外に目をやる裕理さん。
これは男子が惚れるのもわかるなー・・・と思う。
「あのね、お昼くらいに陽が来るみたい。進くんのこと心配してたよ?」
「あれ、そうなの?わーなんかうれしいね」
ぽてぽてした笑顔を僕は漏らすとそう答えた。
「あと寝るね」
「うん。お休み」
無駄に無愛想に答えるとベッドへ潜り込んだ。
頭痛がひどい。悪い夢を見そうだ。
やめてくれよ学校で叫び声なんて上げたくない
ない
ないな・・・い