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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: いつか地獄の戦場で ( No.19 )
- 日時: 2010/08/05 20:10
- 名前: 月兎 (ID: QuEgfe7r)
第一話「いつか軍隊の異動で」
—嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、もう嫌だ。
嫌なんだ、ただそれだけ。
ただ生きてるだけなのだけど…—
「蛾焔、あっちいったらその性格どうにかしろよ」
お前に何が分かる。
「お前笑えないのか?」
笑えないから笑えない、それだけだ。
「灯、死ぬなよ」
お前に心配される筋合いはない。
俺からすればただの騒音に過ぎないそんな言葉。
俺はその日「星軍」を去った…
いや、「月軍」へ向かった。
と言った方がいい、軍といっても、戦争と言っても単なるビジネスに過ぎない。
これはお偉方がきめたことだから俺に発言権はない。だが心では怒声を出してるんだ。
人事異動、それだけのこと。
「月軍」「星軍」の間では普通のことで、どちらかと言えば「月軍」へ行けることがどれほど幸せの事やら…
「蛾焔、月軍でもよろしくな」
そう軽く星軍の隊長は言った。
隊長のくせに全然お世話になった記憶もないが…
「…ああ」
上司に使うような言葉づかいでは無い返事をしそっけなくそっぽを向いた。
「ったく、かわんねェーな本当に来た時と」
月軍の隊長である星 美月もまた隊長らしからぬ言葉づかいで苦笑した。
彼は蛾焔と全く変わらない歳であり、まだ幼さも残る少年とも言っていい笑顔で隊長には全く見えない。
「もう、行っていいか」
こんなところに長居する気はない。
蛾焔は無表情のまま、相手の次の言葉を待った。
「残念だな、まぁいつでも会えることだし…また今度な。がんばれよ、いろいろと、、、な」
彼の言葉を聞き終わると敬礼をして何も言わず部屋を出ていく。
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