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Re: 自殺P貯めませんか?〜犠牲者は再び現れる〜 ( No.13 )
日時: 2010/06/05 17:28
名前: Glitter ◆D7eyn7/Cvc (ID: TI5XYu0n)

第8話「次の標的(ターゲット)」

十馬は陣内を追いかけた。

十馬「・・・おいっ!」
陣内「・・・何?」
十馬「どういう事だよ・・・今の。」
陣内「聞いちゃったんだ♪お前と井森の屋上での会話。自殺Pカードと薬の事」
十馬「・・・!いや、でも自殺Pカードと薬の事は言っていないはず・・・!5P入ったとしか・・・。」
陣内「ああ、だって元々知ってたからね。」
十馬「え・・・」

陣内はポケットからカードのような物を取り出す。

十馬「これって・・・」
陣内「そう。俺も持ってんだよ。自殺Pカード!」
十馬「!!!!!」

まさか・・・陣内がこれを持っていたなんて・・・。

十馬「じゃあお前もリラから・・・?」
陣内「リラ・・・?誰それ。俺はジンダイって奴から勧誘されたぜ。」
十馬「ジンダイ・・・?で、Pはどれくらい・・・?」
陣内「ざっと49ってところかな。」
十馬「49!?お前いつから・・・」
陣内「もう半年くらいだな。厨房だった頃塾の帰りにジンダイに会ったんだよ。当時は受験生だったから毎日のように勉強漬けだったよ。もう耐え切れなくなって自殺しようと思ったときにジンダイと出会った。自殺して甦ってP貯めて願いが叶う・・・そんなのマトモな俺だったら信じなかっただろうが死のうと思ってた俺には何の疑い、抵抗も無かったかな。」
十馬「・・・!Pカード見せてくれよ。」
陣内「いいぜ。ほらよ。」

【ジンナイ トモユキ 様】
北城山高校受験合格・・・5P
中沢裕一死亡・・・10P
佐藤啓死亡・・・15P
檜山聡美死亡・・・20P
飯塚尚輝死亡・・・25P
??????????・・・50P
??????????・・・100P

十馬「やっぱり・・・P使って受験合格したのか・・・。」
陣内「ああ。おかげで景品交換してからは全く勉強せずに済んだよ。勉強した内容が全て頭の中にインプットされていたからな。」
十馬「・・・この3人・・・。」
陣内「ああ、そいつらは俺の成績の事で散々馬鹿にして来たからな。合格した後に殺したんだよ。」
十馬「・・・へぇ。」
陣内「お前のPは?」

十馬は陣内にPカードを渡す。

陣内「うわっ、何だこりゃ。5Pの景品すら手に入れてねぇのかよ。」
十馬「だってこれ貰ったの一昨日だし・・・井森の事でいろいろあったからつい自殺しそびれちゃって。」
陣内「他人の事気にする前にまず妹を治してやったらどうなんだ?」
十馬「ああ・・・。ところで・・・お前沢松の事好きだったんじゃ・・・?」
陣内「だから?」
十馬「いや・・・行ってやらなくてもいいのか?」
陣内「別に。俺はアイツの事なんてどうでもいいんだよ。家が貧乏だから目ぇつけられないように手下の振りしてただけだからな。」
十馬「そうなんだ・・・。」
陣内「でも行ってやらねぇと高木に怪しまれちまうかな。」

陣内は校庭へ降りて行った。

十馬「・・・!そういえば井森は・・・。」

十馬は屋上へ引き返した。

十馬「井森っ!」

井森はフェンスの向こう側に座っていた。

十馬「おいっ!!危ねぇぞ!」
井森「・・・ねぇ十馬くん。これから・・・私はこの学校で幸せに学校生活を送る事・・・できるかな?」
十馬「・・・出来るんじゃないか?」
井森「・・・本当に?」
十馬「お前を苛めてた主犯格の沢村が死んだんだし・・・わからないけど。」
井森「私、友達いっぱい作りたかった・・・。だけど沢村のせいでそれは無理なんだと諦めてたの。でも、相田くんが自殺Pカードを勧めてくれて・・・本当に良かった。ありがとう・・・」

井森の頬を涙が伝う。

十馬「いや、俺はカードを勧めただけだから。」
井森「・・・でもね。この学校で幸せに過ごすには・・・もう1人邪魔な人がいるの。」
十馬「高木か?それとも陣内・・・」
井森「ううん、その2人はどうでもいいの。私が消したいのはね。」

井森のカードが発光した。

十馬「15Pの景品・・・!」
井森「吉高由梨香。」
十馬「・・・え?」
井森「私が消したいのは吉高。アイツさえ消えれば・・・フフフ・・・。」


井森が新たに消したい人物・・・それは
由梨香だった・・・・・・。


第8話-終-