ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 自殺P貯めませんか?〜犠牲者は再び現れる〜 ( No.16 )
- 日時: 2010/06/05 21:59
- 名前: Glitter ◆D7eyn7/Cvc (ID: TI5XYu0n)
第9話「恋」
十馬たちが校庭に降りると登校した生徒や教師で溢れていた。
羽田「さ、沢松さん・・・!?どうして自殺なんて・・・。」
高木「・・・自殺なんかじゃない。」
校長「どういう事だね?」
高木「ノリカは・・・沢松は井森泉に殺されたんです!!!」
羽田「何ですって!?」
高木「屋上でノリカと井森がもみ合いになって・・・それで井森がわざと老朽化しているフェンスに向かって・・・ノリカを・・・。」
羽田「本当なの!?井森さん!」
皆が井森の方を見つめる。
井森「・・・違います。」
高木「とぼけんじゃねぇよ!俺はちゃんと見てたんだぞ!あ、おい!新人!お前も見てたよな?」
陣内「・・・見てた。」
高木「ほら見ろ!こいつも見たってよ!」
陣内「井森に蹴りを食らわそうとして井森が避けたらフェンスにぶつかってそのまま下に落ちたところをハッキリと。」
高木「お前っ・・・!?」
羽田「それは本当?」
陣内「はい、これが証拠です。」
陣内はポケットからカメラを取り出した。
羽田「カメラ・・・?」
陣内「これに証拠が映っています。」
陣内はムービーを再生させた。
ムービーには屋上で起きた一部始終がバッチリ収録されていた。
羽田「井森さんは悪くないわね・・・」
高木「・・・ふざっ・・・けんな・・・。」
高木はポケットからナイフを取り出すと陣内の腿にナイフを突き刺した。
陣内「・・・っ」
羽田「高木君っ!!!止めなさい!!!」
高木「おいてめぇ!ふざけんじゃねぇぞ!!!!!裏切りやがって!!!!おい!!!!!!!」
教師らが高木を取り押さえる。
陣内は周りの生徒たちに脇を抱えられて保健室へ。
高木「ふざけんなあああああああああああああああ!!!!」
朝の校庭に怒号が響き渡る・・・。
有名進学校で起きてはならぬ事故・・・いや、事件であった・・・。
数十分後、学校に警察が来て高木は連行されて行った。
井森「あ・・・あの。陣内くん!」
陣内「・・・。」
井森「ありがとうございましたっ・・・!」
陣内「勘違いするな。」
井森「本当にありがとう・・・」
陣内は校庭を後にした。
十馬「陣内・・・まさか隠し撮りとはねぇ・・・。」
井森「・・・そうですね。」
十馬「さて、教室に戻るか・・・。」
井森「私今日は早退します。」
十馬「えっ、早退?」
井森「はい・・・。ちょっと気分が悪くなって。」
十馬は悟った。
家に帰り自殺Pを貯めるつもりだと・・・。
井森「早退するって伝えておいてくれる?相田クン・・・。」
十馬「あっ、おい!」
井森は早退した。
聡「あっ、十馬!!」
由梨香「何だか大変な事になっちゃたね・・・。」
鈴木「高木・・・連れてかれたな・・・。」
十馬「・・・お前ら校庭にいたんだ。」
由梨香「当たり前じゃん!こんな騒ぎになってるんだから。皆気になって出て来るよ・・・C組以外は。」
十馬「C組?」
聡「C組の生徒は7時までには全員学校に来て授業を開始するんだって。担任の板谷先生が休み時間以外は教室に鍵をかけるんだって。つまり授業中にトイレが行けないって事。もし授業中教室から出たらその日はもう教室に入れてもらえず帰るしかないんだって。」
由梨香「板谷先生はかなり信頼されているらしいから・・・板谷先生のクラスで授業を受けると必ず有名大学に合格するらしいから入学前から抽選で30名のみC組の生徒に入れるようにしているとか。」
十馬「へぇ・・・。生徒を抽選で決めるとはねぇ。」
聡「あ、今はそんな事関係無かったね。・・・そういえば井森さんは?」
十馬「あぁ、何か気分悪いって帰った。」
由梨香「そうなんだ・・・後でお見舞いに行こうかな?」
十馬「えっ・・・それは止めておいたほうが・・・。」
由梨香「何で?心配じゃん。クラスメイトなんだしっ。」
十馬「だってお前相当嫌われてるだろ井森に。」
由梨香「そうだけどさぁ・・・」
十馬「とにかく絶対行くなよ!」
十馬は心配だった。
Pを使う前に由梨香を殺してしまうんじゃないかと。
由梨香の事は好きでも嫌いでもなかったのだが
何としても止めたかった。何故なら・・・
十馬は井森に好意を抱き始めていたからだ・・・。
好きな人に犯罪を犯させたくはない・・・。
第9話-終-