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Re: 自殺P貯めませんか?〜犠牲者は再び現れる〜 ( No.20 )
日時: 2010/06/06 23:58
名前: Glitter ◆D7eyn7/Cvc (ID: TI5XYu0n)

第11話「殺したのは?」(前編)

井森が何者かによって自殺Pで殺された・・・。
井森の事を好きになっていた十馬は絶望に打ちひしがれていた。
十馬はしばらく何も考える事が出来ず、井森の遺体を見つめ続けた。

そして3時間後・・・。

由梨香「・・・んっ・・・・・・あっ!!!寝ちゃった!!!ごめんっ井森っち・・・・・・」

由梨香が凍りついた。目の前には胸を押さえて苦痛に歪めた井森の変わり果てた姿があったのだから・・・。

由梨香「・・・え?こ、これ・・・え?ね、ねぇ十馬・・・?」
十馬「・・・。」
聡「うー・・・あぁ;寝ちゃった!?・・・どうしたの・・・?」
鈴木「何だようっせぇな・・・」

聡と鈴木が目覚める。由梨香が指をさしているのでその先を見ると井森の遺体を目にした。

鈴木「うわっ!!!い、井森!?」
聡「ど、どういう事・・・?」
由梨香「わかんない・・・私が起きたらこうなってて・・・十馬!ねぇ何があったの!」
聡「十馬!!!!」
鈴木「相田ァ!!!」
十馬「・・・死んだんだよ・・・井森。」
由梨香「そんな・・・どうして・・・。」

由梨香が涙を流す。
すると十馬は

十馬「このカードで誰かに殺された。」
聡「・・・カード?」

十馬は由梨香達に自殺Pカードの事について説明した。

聡「う、嘘だ・・・そんなカード。」
十馬「俺が嘘を言うってのか?お前に嘘なんかついた事ねぇだろ!井森はこのカードのPで誰かに殺されたんだ!そしてこの中で俺以外にもう一人カードを持っている奴がいる。」
鈴木「誰だよ!」

・・・由梨香の頬を汗が伝った。

十馬「・・・由梨香?お前が・・・?」
由梨香「・・・。」

由梨香はポケットからカードを取り出した。

十馬「お前がまさか・・・」
由梨香「違う!確かにこのカードは私のだけど・・・井森っちは殺していない!見てよ!」

由梨香はカードの裏側を見せた。


【ヨシタカ ユリカ様】
???????????・・・5P
???????????・・・10P
???????????・・・15P
???????????・・・20P
???????????・・・25P
???????????・・・50P
???????????・・・100P


十馬「5Pの景品が表示されてない・・・。」
由梨香「このカード、昨日渡されたの。学校の帰り。」
十馬「誰に?」
由梨香「・・・確かダツラって人。」
十馬「ダツラ・・・?」
由梨香「自殺Pなんて私信じてなかったんだけど・・・その人に目の前で死ぬところを見せられたの。」
聡「あ、あのさ・・・。二人だけで話進めないでよ・・・。」
十馬「ん?ああ・・・お前信じられないって言ってたよな。」
聡「・・・うん。」
鈴木「俺も全く。」
十馬「・・・とりあえず見せてやるよ。」

十馬は井森の部屋(2階)の窓を開けた。

聡「十馬・・・?」
十馬「サンプルはこれで最後か・・・。お前ら見てろよ。15分後必ず甦るから。」

十馬は薬を服用し、窓から飛び降りた。

鈴木「おまっ・・・・!」
聡「十馬!!!!!!」
由梨香「・・・!!!!」
鈴木「・・・嘘だろ・・・。」

由梨香達は急いで下に駆け下りた。
下は庭石があり、十馬はその石に頭を強打し死亡していた。

15分後・・・

由梨香「・・・あっ!」
十馬「うー・・・・・。」
聡「十馬・・・!」
十馬「・・・言ったとおりだろ?この薬の効果は本物だ。」
鈴木「驚いたな・・・。」
十馬「・・・井森はこの自殺Pで沢松を殺した。」
由梨香「・・・!!!」
十馬「そして由梨香。お前の事もこの自殺Pで殺そうとしてたんだ。睡眠薬を飲ませてから景品と交換するところだった。」
由梨香「・・・そんな・・・。」
十馬「・・・救急車を呼ぶか。」
聡「・・・待って。」
十馬「・・・?」
聡「井森さんが死んでからどれくらい?」
十馬「・・・もう3時間以上だ。」
聡「倒れてからすぐどうして救急車を呼ばなかったんだって・・・怪しまれると思うけど。」
十馬「・・・。」
リラ「それは大丈夫です。」
十馬「リラ・・・!」
由梨香「誰・・・?」
十馬「俺に自殺Pカードを勧めて来た人。」
リラ「1回以上SR薬を利用した方は死後しばらくは体温が保たれるんです。」
十馬「それで死亡推定時刻を誤魔化せると・・・?」
リラ「ええ。まずバレる事はないでしょう。」
聡「じゃあ・・・救急車を呼ぼう。」

聡は携帯で救急車を要請した。
救急車には十馬と由梨香が乗り込んだ。
そして近くの病院に井森の遺体は運ばれて行ったのだ。


後編へ続く。