ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 自殺P貯めませんか?〜犠牲者は再び現れる〜 ( No.27 )
日時: 2010/06/09 16:57
名前: Glitter ◆D7eyn7/Cvc (ID: bobjbGZP)

第13話「バイバイ」

十馬「ふざけんなよっ!!!!!!!」

十馬の怒号が廊下に響き渡った。
教室に戻ろうとしていた生徒らが一斉に振り向く。

陣内「・・・ここだとまずいんじゃないの?屋上へ来いよ。」

十馬たちは屋上へ

十馬「・・・どういう事だよ。」
陣内「・・・昨日井森が早退した後。病院にいる時俺の携帯に非通知で電話があったんだ。非通知なら出る必要もないと思って無視してたんだけどいい加減うぜぇから出たんだよ。そしたら電話の相手は井森だった。井森は散々助けてくれてありがとうございましたって。で、俺が何で俺の番号知ってんだって聞いたら自殺Pを使って番号を知ったとか言いやがったからすぐ切ったんだけどその後もしつこく何度も何度も電話。」
十馬「井森が・・・お前にまさか・・・。」
陣内「ああ。俺の事を好きになったらしい。で、俺は井森の家に行ったんだ。俺が来てかなり嬉しそうだった。俺の携帯に電話をかけないように言ったら井森が茶を出して来た。俺は警戒してそれを飲まなかったんだけどトイレ行きたくなったって嘘をついて物陰に隠れていたら案の定茶に睡眠薬なんてのを入れてやがった。気持ち悪くなった俺はそのまま家に帰って自殺Pを必死に稼いだ。」
十馬「・・・そんな事ぐらいで・・・。」
陣内「俺は沢松と高木が嫌いだったからムービーを見せただけだった。それなのに勝手に好くアイツが悪いんだよ。」
十馬「・・・っ!!!」

十馬は陣内に殴りかかろうとした。

陣内「いいのかよ。ここで暴力沙汰なんか起こして。」
十馬「・・・!」
陣内「入学早々それはまずいんじゃねぇの?お前の家は普通の家庭だろ?高木ママみたいには守ってくれないぞ?」
十馬「・・・くっ!!!」
陣内「はっはっは・・・ん?そういえば吉高がいな・・・」
十馬「・・・?」
陣内「ぐ・・・ぐばっ!!!!」

突然陣内が吐血した。

十馬「・・・・!!!!?」
陣内「・・・ぐ・・・やりやがった・・・な・・・」
十馬「俺じゃない・・・まさか・・・!」
由梨香「・・・私だよ。」
十馬「由梨香・・・!」
由梨香「こんなカード・・・絶対使わないって決めてたんだ。カードの力なんかで幸せになっても嬉しくない、人を殺したくなんかない・・・って。でも、これで私も人殺しだね・・・。私、井森っちを殺したアンタが許せない。井森っちはアンタの事好きだったのに・・・。」
陣内「へっ・・・気持ち悪いんだよ・・・好きとは言え茶に睡眠薬を入れるような・・・異常者だぜ?そんな奴になんか・・・死んでも・・・好かれたくないね・・・ぐっ!!!」
由梨香「・・・。」

陣内は動かなくなった。

由梨香「・・・死んだね。」
十馬「・・・。」
由梨香「・・・十馬。皆によろしくね。」
十馬「・・・え?」
由梨香「私は人を殺した。でも罪に問われる事はない・・・だったら死んで償うまで。」
十馬「・・・お、おい・・・」

由梨香は沢村がぶつかって壊れたフェンスを跨いだ。

十馬「や、やめろ!!!」
由梨香「十馬・・・私もね、十馬の事が好きだったんだ・・・。」
十馬「・・・!」
由梨香「・・・バイバイ。」
十馬「由梨香!!!!!!!!!!」

ドサッ・・・!
由梨香は屋上から飛び降りた・・・。
生徒らが校庭で悲鳴をあげたが十馬の耳には聞こえなかった。
十馬は自殺Pカードがどれだけ恐ろしいカードなのかようやく気づき始めた・・・。
ただ願いを叶える夢のようなカードではない・・・
人に手を加えず簡単に殺す事の出来る悪魔なようなカードであると・・・。

十馬「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

十馬は一人屋上で激しく叫んだ・・・。


第13話-終-


1章〜完〜

物語は2章へ・・・!