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Re: 自殺P貯めませんか?〜犠牲者は再び現れる〜 ( No.3 )
日時: 2010/06/02 18:42
名前: Glitter ◆D7eyn7/Cvc (ID: TI5XYu0n)

第1話「悲劇の始まりへ」(後編)

沢村「授業中貧乏臭がして全く授業に集中出来なかったんだけど。どうしてくれんの?これで成績落ちたりしたら〜」
井森「そんな事言われても・・・。」
??「香水でも買って付ければいいんじゃねーの?w」
井森「香水なんて・・・買うお金無いです。」
沢村「金が無いなら万引きでもすれば?w」
井森「そ、そんなっ・・・!」
沢村「とにかく臭いんだから何とかしてよ?明日も同じ臭いだったら・・・どうしようかな〜?wさ、行くよ剛、新人君!」
剛「ノリカもひどいなぁwww・・・行くぞ新人。」
??「はい!ノリカさん!」
井森「・・・。」

十馬たちがそっと井森に近づく。

十馬「・・・い・・・もり?大丈夫か・・・」

井森は涙を浮かべ走り去って行った。

十馬「助けてやれば・・・良かったかな。」
聡「でもあの3人かなりやばそうだったよ。」
十馬「あのお嬢様沢村ノリカに付いてた男二人は剛、新人君って呼ばれてたな。」
聡「剛ってのは確か高木剛君。新人君の方は陣内智之君だったと思うよ。」
十馬「おまっ!?もう名前覚えたのかよ?」
聡「うん・・・w」

十馬と聡は途中で分かれ家に帰った。
家まであと20分ほど。
踏み切りの遮断機が降りる。

十馬「ちょっ・・・またかよOTL」

十馬は再び踏み切りに足止めされる。

十馬「はぁー・・・ん?」

いつもはこの時間帯同じように帰宅する学生、会社員が多いのだが何故か今日は十馬一人だけ。

十馬「おっかしいなー・・・。いつもは20人くらい待ってるんだけど。」

ポンッ・・・
十馬は誰かに肩を叩かれた。
十馬が後ろを振り向くと朝この踏み切りで見かけた全身真っ黒の謎の女・・・!

十馬「・・・!!!」
女「初めまして相田十馬クン・・・。」

十馬はその女の不気味さに圧倒され声が出せなかった。

女「私はSuicide Resurrection 略してSRの者です。」
十馬「・・・Suicide Resurrection???何それ、宗教か何かなら俺急いでるので・・・。」
女「いいえ、SRは優良企業です。弊社ではこちらを皆様にサンプルとしてお配りしています。」

女は黒いカバンから怪しげな薬を取り出す。

女「これはSR社が独自に開発した薬なのですが何とこの薬を死ぬ前に服用すると15分後に生き返るという魔法のような薬なのです。」
十馬「・・・はぁ?俺疲れてるんで・・・別の人当たってください。」

踏切が開き十馬はその場から去ろうとする。
すると

女「妹さんが精神のご病気だそうですね。治したくありませんか?」

十馬はピタリと足を止める。

十馬「・・・何で妹が精神病だって事を・・・?」
女「・・・これをご覧ください。」

女は十馬にカードのような物を渡す。
カードには

【アイダ トウマ 様】
5P・・・妹、愛菜の精神病を治す
10P・・・??????????
15P・・・??????????
20P・・・??????????
25P・・・??????????
50P・・・??????????
100P・・・??????????

十馬「何だよこれ・・・?Pってポイントか?」
女「【自殺P】です。」
十馬「【自殺P】・・・?」
女「1度自殺する度にPがどんどん貯まります。手首を切って自殺すると1P。飛び降り、電車への飛び込みだと3P。切腹、首吊り、焼身自殺だと5P貯まります。」
十馬「Pを貯めると願いが叶うってか?はっ!死んじまったら意味無いじゃねぇか!」
女「その為の【コレ】です。」
十馬「さっきの・・・薬?」
女「この薬を自殺する前に服用するとお亡くなりになられてから15分程度で甦ります。サンプルなので無料ですが、この次からは1錠300円になります。」
十馬「300円!?高ぇよw」
女「サンプル3錠と600円あれば妹さんの精神病を治す事が出来るんですよ。むしろ安いと思うべきではないでしょうか?」
十馬「そもそもこの薬が効くかどうかなんてわかんねぇだろ。大金出して買ってそれで甦らずに死んだら馬鹿みたいじゃねぇか。」
女「実践・・・してみますか?」
十馬「・・・え?」
女「私が服用し、実際に死んで見せます。」

女は持っていた薬を1錠服用した。
踏み切りの遮断機が降りた。電車が向こう側から来る。

女「では、行きます。」
十馬「・・・おい、まさか」

女は踏み切りの遮断機をくぐりぬけ線路上に立った。

十馬「おい!やめ・・・」

ポオオオオオオオオオオオ!!!
辺りに電車のクラクションがこだまする。
キキィィィィィィィィィ!!!
電車のブレーキ音、そして・・・。
ドンッ!!!!!!!!!!!
十馬は目を反らした。その鈍い音は女が跳ねられた音。見るまでもなく・・・。

踏み切りの向こう側にいた女性がすぐに警察を呼んだ。5分後近くの警察署からパトカーが来た。
目撃者として十馬は警察に事情を聞かれる。
女の原型をも留めていない無残な遺体が運ばれて行く。
目の前で起こった事を警察に話した十馬は帰宅した。

十馬「・・・ただいま。」
母「あら、おかえり。どうだった学校は?」
十馬「・・・うん。良かった。」
母「どうしたの?何かあった?」
十馬「何も無い・・・。」
母「・・・?」

十馬は自分の部屋へ。
そしてベッドに倒れこむ。

十馬「あの女・・・本当に飛び込むなんて・・・。あんな原型を留めてないってのに元に戻るわけねぇよ・・・。」

プルルルル・・・
十馬の耳にかすかに聞こえたのは電話の音。
そして母の声。

母「はいもしもし。・・・はい。いつも・・がお世話に・・・はい。え、・・が!?はい、すぐにそちらに向かいます!」

母が十馬の部屋へ。

母「愛菜が病院で暴れたらしいのよ。お母さん病院行ってくるから戸締りちゃんとしてね。」
十馬「え、病院泊まんの?」
母「だって暴れてるみたいだし・・・あんまり病院に迷惑をかけられないからね。」
十馬「・・・そう。」

母は車で病院へ向かう。父にも連絡を取り、父と二人で病院に泊まるらしい。

十馬「そういえば・・・このカード持って来ちゃったな・・・・・・・5Pで・・・愛菜・・・・・いや、こんなの嘘に決まってる。死んで甦るなんてそんな漫画みたいな話・・・」

ピンポーン

インターホンが鳴った。

十馬「・・・誰だ?」

十馬が玄関の扉を開けると・・・。



第1話 -終-