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Re: 自殺P貯めませんか?〜犠牲者は再び現れる〜 ( No.4 )
日時: 2010/06/03 14:59
名前: Glitter ◆D7eyn7/Cvc (ID: TI5XYu0n)

第2話「悪魔の誘惑」

??「こんばんわぁ。」
十馬「あ・・・あ、あんた・・・どうして!?」

玄関の扉を開けるとそこには・・・踏み切りに飛び込んだあの女が立っていた。

女「だから言ったでしょう?甦るって。あの薬の凄さがわかっていただけましたでしょうか。」
十馬「・・・ああ。だがまだ完全には信用できない。双子って可能性もあるわけだろ?」
女「・・・ふふふ。わかりました。では今度はあなたの目の前で死ぬだけじゃなく甦っても見せましょう。」
十馬「目の前で・・・甦る?」
女「ええ。では、剃刀か何かを貸してもらえますか?」

十馬は女に剃刀を渡す。

十馬「もしかして・・・」
女「ええ。手首を切るんです。」

女は薬を服用し手首を剃刀で切りつけた。
シャーーーーッと血が噴出す。
女は玄関先で倒れこんだ。

十馬「・・・。」

5分後

十馬「あと10分・・・これで甦らなかったらどうすんだよ・・・。」

バンッ!!!!!

十馬「・・・!」

十馬はそっと玄関を開け外の様子を伺う。
何と病院に泊まる筈の両親が帰って来たのだった。

十馬「な・・・何で!?泊まるって言ってたのに!」

十馬は落ち着いてこの状況をどう乗り切るかを考えた。十馬は階段下の納屋に女の遺体を隠し、冷蔵庫からトマトジュースを取り出し辺りにぶちまけた。
そして

十馬「ああああああああっ!」
母「十馬!?」

母は慌てて玄関扉を開けた。

父「うわっ、何だこれ!」
母「ち・・・血!?」
十馬「ち、違うよwトマトジュース派手にこぼしちゃってw」
母「何だぁ・・・びっくりしたぁ。大声出すから何事かと思ったじゃないの!」
十馬「へへへ、ごめんw・・・ところで泊まるんじゃなかったの?」
父「ああ、会社から駆けつけたから着替えを持って行こうと思ってな。」
母「愛菜が落ち着いて眠っているからその間に取りに来たのよ。」
十馬「へぇ・・・そうなんだ。」

父と母が納屋の前を通る。両親の寝室は納屋の前を通ってリビングから寝室へ行く形になる。

母「ちゃんと拭いておきなさいよ〜」
十馬「わかってるよw」

十馬の心臓が激しく鼓動する。
全身冷や汗をかき始めた。

父「お前どうしたんだ?4月なのにそんなに汗かいて。」
十馬「ちょ・・・っと前まで筋トレしてたんだよw」
母「珍しい・・・。」

両親はリビングを通って寝室へ。

十馬「・・・はぁぁぁ。・・・あと5分・・・。」

寝室から両親の声が聞こえて来る。

母「それにしても凄い暴れ方だったわね・・・。」
父「ああ、愛菜が本当かわいそうだよ・・・。」
母「私がもっと愛菜の事を見ていれば・・・ううう・・・。」
父「今そんな事を言っても仕方ないだろう。さぁ行くぞ。」
十馬「愛菜・・・。」
母「じゃ、病院に戻るからね。しっかり留守番してね!」
十馬「う、うん。」

両親は車に乗って再び病院へ。

十馬「ふぅ・・・。あっ、15分経った!」

十馬は急いで納屋を開けた。

十馬「あれ・・・!?」

女の姿が無い。確かに納屋に遺体を入れておいた筈・・・。
その時ポンッ!と肩を叩かれる。

十馬「うおっ!」
女「これで信じていただけましたか?」
十馬「・・・ああ。」
女「それは良かったです。」
十馬「本当に・・・5P貯めれば愛菜は・・・?」
女「必ず治ります。通常の生活に戻れますよ。」
十馬「・・・。」
女「どうしますか?まだ怖いですか?それならこのサンプルで試してみてはどうでしょうか。手首を切ったり、練炭自殺をすると1Pです。」
十馬「自殺の方法でPに変化があるようだけど・・・どんな基準でPが分けられてるんだ?」
女「【苦しみ】です。」
十馬「【苦しみ】・・・?」
女「そうです。高くPがつく自殺方法はどれも苦しみながら死ぬ方法です。首吊り、水中窒息死、焼死、切腹などは5P付きます。」
十馬「苦しみながらは嫌だな・・・。」
女「でしたら手首を切るか練炭自殺などがオススメです。」
十馬「練炭・・・睡眠薬と甦る薬を一緒に飲んでも大丈夫なのか?」
女「大丈夫です。何の問題もありません。」
十馬「・・・じゃあサンプルをくれ。」
女「ありがとうございます♪あ、そういえば私まだ名乗っていませんでしたね。どうぞ。」

女は十馬に名刺を渡した。

十馬「Suicide Resurrection販売員 リラ・・・?」
リラ「よろしくお願いします。相田十馬サン。」


第2話 -終-