ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 死体愛好者と正しい死に方 ( No.23 )
日時: 2010/07/10 17:59
名前: 月兎 (ID: iEydDqYB)

第六話「言い訳」

—僕の物語は始まったばかりなのだけど、そのぶんだけ終わりに近づいてるんだ。
罪は消えないけど、忘れることならできる。
そう、僕の勝手な言い訳—

『美月、俺…○○が好きなんだ』

『告白するの?』

『しようと…思ってる。だから美月に相談しようと…』

『相談じゃないだろ、報告。○○が告白しないことに驚いてたんだから…頑張れよ、○○!』

『ありがとう!じゃあ俺いってくる』

これが僕と親友との最後に交わした言葉。
そして時は過ぎて、僕の物語は傾いて…

「みーくん!週番!忘れてないでしょーね」
なんていうアラームで目を覚ました。

目の前には現乃がいて、周りには誰もいなく…て?
「誰も…いな、い_」
とっさに出た言葉、トラウマ。
一人きりじゃなくて二人きりの空間が、恐ろしくて…吐き気がするほど苦しくて…

だけど彼女は
「あたりまえでしょ、もうみーんなえっさほっさ出かけて行きましたよ」
そうだ、もう皆部活やら何やらに出かけたのか。
それなのに僕はずっと寝てたのか…

「ごめん、週番。資料整理だよな」

「うん」
起き上がるとすぐに鞄を持って外に出て行こうとする。
だけど、彼女はなぜかずっと部屋で止まっていたままで…

「現乃?」

彼女が見つめていた席にはあの、有名人の席で。
「いや、ごめんみーくん!行こう」
振り返った彼女はいつもの彼女だったけど、さっきの彼女の目は…どこか違う、表情をしていた。

あれには見覚えがある。

そうだ_

僕が、誰かを失ったときの_

眼_