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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 死体愛好者と正しい死に方 ( No.84 )
- 日時: 2010/08/21 18:09
- 名前: 月兎 (ID: QuEgfe7r)
第十五話「物語は終わり」
—死にたい、それが僕の口癖です。
でも本当には死なないんだと思います、いやこれからはわからないけれど。
朝日と約束したから。
でも彼は、先に逝ってしまった、僕にあんなことを言っておいて—
久しぶりに怒鳴った。
アレ?違うな、生まれて一度も怒った記憶が無いから初めてだ。
「っ」
彼女の身体がビクっと震えて僕を見る。
「ごめん」
そんな顔しないで、そんな目で見ないで、そんな、そんな、苦しまないでください。
すぐに謝ると俯きながら彼女が先程走って持ってきた新聞を手に取った。
「朝日は自殺した」
「____うん」
「その場に現乃はいた」
「___うん」
「朝日は現乃に告白した」
「___」
「二度も」
その新聞には、朝日のことが書かれていた。
事件は男子学生の自殺で収まっている、それも朝日の過去を朝日のことを全て全て死んだからって人権無視して、淡々と。
過去の出来事がきっかけで生きているのが辛くなった、その自殺の裏にはイジメもあったのでは?
なんて、こと書きやがって。
「どうして」
僕も朝日の人権無視してるけど。
「現乃は朝日のことを愛していたのに、朝日を止めてくれなかったんだ?なんで朝日は死ななきゃいけなかったの?」
こんなことして、こんなこと聞いてどうするかなんて意味無いとは思ってる。
でも。
親友の最期と思いと全てを知っておく権利ぐらい、朝日はくれると思う。
僕等、似たものどおしだから。
『俺達、似たものどおしだな』
—ズルイと思う、僕はこれからどうすればいい?—
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