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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ━Solitary killer━ ( No.1 )
- 日時: 2010/06/16 20:45
- 名前: 律零 (ID: EWcIN/Ij)
【プロローグ】
「復讐」と簡単に言うが、実際はそんな簡単な意味が詰まった文字ではない。
復讐を持つ者は、必ず思っている以上の怒りや恨みを持っている。
怒りや恨みから「復讐」は生まれるものなのだ。
そして
『復讐は人間を育成する』
これは1人の青年の物語。
あなたは両親を殺され、平然と存在できますか?
愛する者を、友人を、兄弟を、姉妹を殺され・・・
正気でいられますか___________
━━━━━━━
時は10年前にさかのぼり 2000年
夜中の東京に鳴り響く救急車のサイレン音。野次馬は一軒の家の前に集まる。
「心配停止!!出血大量です!!」
「奥さん!!しっかりして、子供さんもいますよ!!」
救急隊員は家から運ばされた血まみれの主婦に声をかけ続ける。
その脇には、呆然とした表情をする少年が母親の顔を見ながらついてくる。
「隊長!!もう一人も重傷です!!」
家から再び出てくる担架には、先ほどと同じように血まみれの男性が運ばれてきた。
野次馬たちは血まみれの2人を見ると、悲鳴をあげて更に集まり始める。
2人は別々の救急車に入れられ、そのまま急発進して病院に向かった。
その場に立ちつくしている少年は、一人の男性に声をかけられる。
「坊主・・・大丈夫か?」
無精髭に体つきの良い男性は、スーツの胸ポケットから手帳を取り出す。
「俺は刑事。城山って名前だ。とりあえず来い。」
城山と名乗る男性は、少年を車に乗せるとアクセルを踏んだ。
「大丈夫だからな。」
城山はそう言うと、ハンドルを動かし車を発進させた。
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