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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: デスゲーム ( No.14 )
- 日時: 2010/07/23 11:02
- 名前: ガイ (ID: HQL6T6.Y)
第6話
鬼は通路からいきなり現れた。黒ずくめの制服に黒いサングラス。命令にただ従うだけのロボットのような程の無表情な顔。体型はかなりがっしりしている。片手で牛一頭をひねり潰せそうだ。手には警棒。しかし通常のよりも何倍もある。物語にでる鬼と姿はかけ離れているものの、オーラは本物を凌ぐだろう。
距離は約50m。あの図体からはスピードが出ないはず。柊斗はそう思った。しかし……
鬼は何の前触れもなく信じられないスピードで走ってきた。風を切る。
死への恐怖———それが柊斗達を動かした。
「逃げるんだ!追いつかれたら死ぬぞ!」
鬼とは逆の方向に走りだした。しかし無念にも鬼との距離は少しずつ縮まっていく。あと数m———俺たちこのまま死ぬのか?しかし神は柊斗達に味方した。
「通路が3本に分かれてる!バラバラに逃げるんだ!」
こう言ったのは柊斗だ。固まるよりバラバラの方がリスクは減る。なんとか自分の道へ鬼を来させないと……
「わ、分った!はぁはぁ……絶対生き残れよ!」
「はぁ……うん。あなたもね」
翔はにやりと笑い、白い歯が覗いた。
そしてそのまま3人は分かれていった。その瞬間、柊斗だけがスピードを落とした。鬼はそれを見落とさなかった。そして柊斗の計略の通り、鬼は柊斗へ着いてきた。
これからどうする———。このままでは絶対追いつかれる。
……やるしかない。
柊斗は決意を固めると、足を止め、鬼の方へ体を向けた。
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