ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: DEATH GAME ( No.33 )
日時: 2010/07/28 14:58
名前: ガイ (ID: HQL6T6.Y)

第12話

 彼らは今、第1ステージが始まる前にいた、部屋と同じような所にいた。
 先程のガラスでできた自動ドア……出口の先には、薄暗い照明に照らされた廊下があった。床には赤いカーペットが敷かれていた。そこを通り抜けると、この部屋に着いたというわけだ。
 部屋の中には自分たちも含めて10人ほどしかいない。最初の20人から、第1ステージで半分に減ったのか。改めてゲームの過酷さを身にしみた柊斗であった。
 
「ちょっと疲れた」

 そう言ったのは翔だ。へなへなと座り込む。柊斗と千帆もそれに倣って腰を下ろす。
 そういえば、あれだけ走ったのに体はあまり疲れていないようだ。鬼を殴った時といい、自分は何者なんだ?それが柊斗の一番の疑問だった。
 その時、またあの陽気な音楽が始まった。曲が終わると、“声”が聞こえてきた。

『みなさん、第1ステージお疲れさまでした。よく頑張りましたね』

 柊斗はイラッとしたが、何か行動すれば何をされるのか分からなかったのでぐっとこらえた。
 横を見ると千帆も同じ気持ちのようだ。何故かほっとしたような気持になった。

『半分くらい減りましたが、これから早速第2ステージを始めたいと思います』

 ハッと反射的に身構える。第1ステージを勝ち抜いてきた者の本能であった。
 “声”はこう続けた。

『第2ステージは……橋渡り』