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Episode4  時の横断幕 ( No.22 )
日時: 2010/06/24 19:38
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

柔らかくて気持ち良い……?
意識を取り戻し、ベッドの上?
確か、私は恐怖の放電男との戦闘に負けて捕まっているハズ、
速く逃げないと誰か来るかもしれない!
素早く目を開きベッドから飛び降りて、部屋の出入り口を探す!

「素晴らしい身体能力だな。我が社で働かないか?」

黒い長髪を束ねた男が、まるで後ろの壁から沸いて出たかのように流の肩をつかみ逃げるのを引き止めた。
しかし、敵意は無いようだ。この間に現状整理をしてみよう。
私は約1900年前に転落死し、死体安置所で生き返って、
外に出たとたん仮面の放電男との戦闘、
その後が今だ。
この男の"我が社"という単語から、
ここは何かの会社らしい。

「働くって?何をするの?」

「ん…ま、色々だ。学校運営、ゲーム、食料、支援などから暗殺、兵器開発までをやっているが、君にやってもらいたいのはもっと特殊な所だ」

「特殊な…所…?」

「魔法系犯罪者の調査及び抹殺だ。でも、捕らえてくるだけで良い、魔界の法に則り裁くだけだ」

「魔法?4000年の未来に魔法?」

「ああ、魔法だ。真面目な話し、2000年前までは10億人に1人の割合で魔力を持った人間が世に出ていたが、今は驚く事に1万人に1人にまで増えている。それの悪用を防ぎ、世間には漏れない様にする仕事だが、どうだ?」

「良いかもね」

魔法とは、童話の中だけの、娯楽の中だけの存在だ。
その魔法がこの世界には存在する。
恐怖の放電男の放電も魔法の類か?

「今更だけど、私は何でここに居るの?」

男は軽く笑いながら、
何事でもなかったかのように情報を吐き出した。

「喧嘩が偶然目に入ってな。君の相手をしていたのは、この時代でも大物の組織、ヘッドクラッシャーの特等兵だ。君の実力は特等兵にわずかに及ばない程度、そんなフリーの人材を見捨てられるか?私なら、見捨てない。君の実力はただの人間では歯が立たないレベルだ。よって、あの男を叩き壊し君をここへ運んできたわけだ。学校等の事は任せてくれ、君が行くのはクレハ戦闘魔術第6学院だ」


それを告げると、男は近くのパソコンを使い、
手続きを始めた。
……学校か。