ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode9 生徒会長 ( No.31 )
- 日時: 2010/06/30 12:47
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
……コンコン
サタンが私たちを引き連れ生徒会室の扉をノックする。
……コンコン
何度かノックするが返事が無い、
誰も居ないのだろうか?
「ねえ、誰も居ないんじゃ——…」
「いや、……イスに座ったままバク睡している。このパターンは毎度の事だから気にしちゃいけないよ」
「ふぅむ、困った困った。生徒会長は不在のようだ。仕方ない、楽しい捜査依頼が入ったのだがな…戦闘に突入して相手を殺してしまっても良いのにな…?」
かなり棒読みで、いかにも独り言のようにサタンが生徒会室の扉の前で呟いた。
すると、部屋の中が一気に騒がしくなり、
爆音と共に扉が開いた。
「行かせて貰います!私、行きます!行く!と言うか連れて行け!」
あろうことか生徒会長が理事長に向かって、
しかもドまん前ドストライクゾーンから命令をした !?
直球ですよ?
「騒がしい、落ち着け。今回の依頼は結構厳しいぞ?」
「あれぇ?前の依頼と同じ事言ってるよ?前回は確か一撃必殺の拳を振り回す殺人狂の捕縛だったよね?」
「今回はアレよりももっと凄い奴だ。取り合えず座れ」
サタンが指を生徒会室のイスを指し言い放った。
その直後、体が浮かび上がり指の先にあるイスへと吸い込まれるように投げ込まれた。
「今回は、今世間を騒が——…」
「そういう前置きパスぅ〜、単刀直入に言うと?」
自由すぎる生徒会長に、
やや呆れた様子でサタンは話を続ける。
「単刀直入に言うとだな、スタンガン・パニックの捕縛だ」
スタンガンパニック?
今朝見た新聞にも載っていたな、
確か超凄腕の電撃を得意とする魔術師で、
そいつが能力を使った後、その周囲の町の電線が完全ショートして復旧に1週間掛ったらしい。
「スタンガン・パニック?何か遊園地のアトラクションみたいな名前ね。ふぁ〜ぁぁ…眠い」
話の途中で大あくび…
この生徒会長、信頼できるのか?
確かに美人で人気は有りそうだが、
どうも性格に問題があるようだ。
「で、居場所は?」
「もう直ぐこの学校を制圧しに仲間を引き連れやってくる」
…………は?
今……何と?
「ねえ、今なんて——…」
「そう何度も言わせるな、もう数十分でこの学校に攻めてくる。一応こちら側も助っ人も来るが、相手も相手、明らかにお前達に負けず劣らずの精鋭だろうな」
「理事長、貴方は…?」
「無論、私も戦闘に参加する。ただし、向こうにも私と同等の力を持った魔術師が居ると思え。では、準備を開始しろ!」
「了解しました。風紀委員は全力でこの学園を守護します」
「私以外の生徒会役員は非難をさせます」
「よろしい、流は私と来い。奴も貴様と同様、生き返った者だくれぐれも警戒は解くな。では、行動開始だ」