ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Episode12  黒包帯 ( No.35 )
日時: 2010/07/05 13:40
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

クマムシを始末し再びビルの奪還を開始し5分、
流とサタンは効率よく作業をするために二手に分かれて直ぐに
黒い包帯で覆面をした集団と遭遇した。

「あれ?今までの人達とは雰囲気が違う見たいだけど…強いのかな?」

「流だ!確保せよ」

……私のことを知っている?
もしかして、私が生き返って直ぐに戦った仮面の仲間か?
それなら、恐らく私の所為でここが襲撃を !?
確か、仮面の男は"俺達にはお前のような蘇生者が必要なんだ"と言っていたな、
それが本当なら私はここに居てはいけない存在なのか?
なら私は何故ここに居る !?

「君達は…あの仮面の仲間?」

「それを答える義理はない、抵抗するなら壊してでも引っ張って行くぞ?」

「それじゃあ、抵抗する方向で」

「面白いッ!見せてもらおうか、その抵抗とやらをッ!」

今居るフロアは29階、私が昔死んだ時のビルを思い出す。
あの時は確か30階の屋上で、パイプに足を取られかけたっけ…。
軽くボーッとしている流に隙を感じたのか、
黒包帯の前の数名が私に電撃を飛ばす!
やっぱり仮面の奴の仲間だ。
その電撃を電撃で返し地面に叩きつけると、
手近にあったデスクを包帯集団に投げつける!
デスクには2人ほどが直撃し、死んだ?
いや、気絶しているだけだ。
デスクを投げると言う予想外の行動に怯んだ隙にもう一つデスクを投げる!
そのデスクの陰に隠れ包帯集団の内の3名の首を捻り切る!
残るは…、

「ひぃふぅみぃー…5人か。なんだ、あっけなかったな」

「ば…馬鹿な!我々の能力は秋風よりも数段上のはず !! 」

秋風…?
聞いたことがあるな、秋風…。

「秋風って、誰?」

「仲間の事は漏らさん、それが組織の鉄則!」

「そうか、残念だよ」

話ている隙に4人は天井にくっ付けて生成していた液体窒素で氷付け、
残るは…

「君だけだね、この会社を返すのなら殺さないであげるよ?」

「仕方が無い、諦めるとしよう。既に学院は制圧しているだろうからな」

… !?
学院が制圧されている?
まさか!

「まさか…本当に…?」

「ああ、残念だったな」

体が勝手に動き、そいつを凄まじい力でなぎ倒すと窓ガラスを突き破り、流は外へ出た。
29階から地面までの高さは約40m。
それを軽く着地し、骨が痺れるのを感じた。
学院が制圧されたなんて…そんなことは有り得ない!
そう思っていながらも、手近に止めてあったバイクにまたがると、
ギアをマックスにしてアクセルを力いっぱい踏みつけ学院へ飛ばす!

「まさか…有り得ないよね !? あの黒包帯の言葉が本当だなんて!」