ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode13 スタンガン・パニック ( No.36 )
- 日時: 2010/07/05 13:42
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
バイクを飛ばし約5分。
最高時速が時速260kmもでるバイクですら、
会社から学院まで5分も掛る。
サタンの翼がどれほどの速さで移動できるように出来ていたのか、
今更だが考え込んでしまう。
途中で信号などもあったが、全て無視。
学院がやっと見えた、
周囲にはまだこの騒動が漏れていないらしい。
サタンの結界のおかげだろう。
侵入者避けも有ったが、
実際は学院内部の魔法教育の実技科目が見えないように掛けられたものだ。
そう簡単には周囲に漏れることはないだろう。
その学院の門をバイクで突き進み、
学院内に入ったとたん空気が変わった。
殺気に満ちた、ピリピリとする…。
前にも出会ったことのある殺気に、
殆どの生徒が気圧されている。
その大元は…ナオトと生徒会長2人を相手取り、
ほぼ互角の戦いを展開していた。
相手の仮面は攻撃を避けてばかり…、
何か策でもあるのか?そんな考えだった流が見せられたのは…、
「手加減してるのか?無駄な事を…」
「そんな面倒な事私はしてないけどね〜…」
「手加減して生け捕りにしないといけませんよ!」
2人を相手取っていた1人が、手から雷のような巨大かつ殺人的な電撃を2人に浴びせ、
いとも簡単に止めを刺したところだった。
「ナオト!会長!」
「名前を呼んでも無駄だ、殺した」
やっと、やっと仲間が出来たと思ったのに…、
何で私から離れるんだ?
力なく横たわる2人を見て、流の怒りは最高潮へと達し、
そいつに突っ込んだ!
それを軽く避け、手を私の方に突き出す。
…電撃か!
その手を直に触れぬように逆立ちすると、
ブーツのゴム底で蹴り上げる!
蹴りは見事に顎にヒット、今度は負けない!
「強くなったようだな。だが、俺もレベルアップしている。前のようにはいかない!」
近くの水道を壊し、
周囲を水浸しにすると一気に離れて距離をとり、
腕をクルクルと数回程回した。
その手を地面に…。
……水溜りを導体に放電する気だ!
私も水道の水で水浸し、
幾らブーツの底が不導体のゴムとはいえ、
その周囲を電流が私目掛けて水を通り道に駆け上ってくる!
どうする !?
何か避ける手段は!
考えている間に仮面は凄まじい電気を帯びた手を
「喰らえッ!」
水溜りへとたたきつけた。
地面にそいつが手を置くと同時に、
流は周囲の空気を超圧縮、固体化し、
足元へ持ってくるとその上へと避難した。
直ぐ下を電撃が走る。
「これを避けるか、素晴らしい素材だ」
「ふざけんなよ?」