ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode14 仮面が大破 ( No.40 )
- 日時: 2010/07/04 12:39
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
「何が素晴らしい素材だ、貴様を解剖して実験材料にしてやるよォッ!」
「フッ…ククク…ア゛ッハッハッハッハ、笑わせてくれるな。貴様の能力では俺には追いつかん!」
会話の合間に私は先ほどと同じ超圧縮空気を幾つも用意していた。
また、あの攻撃が来た時に避けられる様にだ。
私の考えでは、奴の電撃能力はある程度動いて体内で発電しているに違いない、
私を攻撃する時に、手を数回回したし、
2人を攻撃する前も、無駄に避けて動いていた。
今も、軽く手首をクルクルと回している、
そして、……自分に !?
あろう事か、仮面は自らに電撃を発し、
自らにダメージを負わせた。
何故 !? 何故奴は自分に…!
そんな考えの中、奴がよろけながらも私に近づいてくる。
私と奴との距離は約6m、肉弾戦の間合いではないが、
銃撃戦の間合いとも言いがたい。
まさか!電撃を飛ばす気か?
しかし、その様なそぶりは無く、
そいつは動いた。
電撃を浴びたはずなのに…恐ろしく早い!
そうか!さっきのはスピードアップのための電撃!
しかも、手だけではなく全身に電撃を纏っている、
触れたら…殺られる!
「しばらく電機恐怖症になりそうね…」
そいつが突っ込んでくると同時に、私は空気ブロックで周囲を固め、迎え撃つ!
見事に空気ブロックが止めてくれたが、
10秒も無くブロックが壊される!
不味いぞ、非常に不味い!
そして、電撃を帯びた手がブロックを貫通する。
そんな時、なんとも言えない変わった風貌の男が奴を、
あろうことか素手で投げ飛ばした!
「あ〜あ、派手にやっちゃって。理事長、怒りますよ?」
それを見て、緑髪の女が軽くあきれた目で男を睨む。
「君達、誰?生徒?」
「私は違うけど、彼は風紀の副委員長よ」
緑髪のほうが落ち着いた口調で話す。
起き上がった奴が今にも襲いかかろうと跳躍しているのに!
「僕はリバーシ・ベル、彼女は波音シャル。相手は荒々しい獣ですね…、では面倒ですが排除しましょうか」
「私が抑える、トドメはお願い。私は止めるくらいしか出来ないから」
女の方がそう言い地面に軽く手を置くと、
周囲から巨木が出現し、奴を縛った。
その自由の利かない体に、リバーシの黒魔術が容赦なく叩き付けられる!
黒魔術によりそいつの仮面が大破し、
素顔が…。
と思ったが、仮面が大破したとたん本体の方が消え、縛っていた木が魔術をモロに受け、
横にあった校舎を崩してしまった。
「逃亡の準備もしていたのですか、用心深い奴だ」
「あらら、きっとサタン怒るよ?」
「仕方ないですよ、そこまでしなくてはいけない相手だったのですから」