ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode16 夏祭り【前】 ( No.45 )
- 日時: 2010/07/07 11:35
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
「おい、起きろ」
誰かが私の肩をゆすっている、
しかし、眠いから無視。
「おーい!」
耳元で叫んでいる、
だけど、眠いから無視。
「無視すんなッ!起きやがれッ!」
私に金属バットの打撃が飛んでくる、
けど、眠いから無視。
するわけにもいかず、圧縮空気で止め、
周りを見渡すと、1…2、3人の恐らく生徒狩りの馬鹿達だろう、
私を取り囲んでいる。
そういえばサタンが処罰を加えるって言ってたけど、
前の主犯格がそのまま…?つまり、
処罰無しで自分の身は自分で守れってか?
「まったく、サタンは甘すぎるんだよねぇぇ…あー…眠い」
「なめやがって!殺せ!裸にして校門に晒してやれッ!」
裸にして校門に晒すって…。
オイオイ、もう少しこう…ねえ、
「マトモな考えは浮かばないの?」
前回のごとく、周囲の空気を固体へと変換し、
生徒狩りの連中が窒息する!
窒息し、気絶するのを見届けて、保健室に入ると、
中から砂埃……?
まさか…。
「なまってるぞミサト!」
「そういうナオトだって鈍ってない !? 」
この2人は…!
何故に保健室で暴れる!
そう思った直後だった、後ろから低音が廊下に響き渡り、
サタンが廊下を低空飛行しながらもの凄い勢いで保健室へと向かってきた。
ナイスタイミング!
…………………………その3分後…………………………
「保健室で暴れるなァッ!」
「スミマセンでした」
「はーい、殺しも?」
生徒会長…何にも分かってない!
殺しも?の前に、まずはアレだ、保健室で暴れたら
「他人のことも考えろ!」
「…ハイ」
おお、生徒会長がサタンに負けた。
それを見てサタンは近くの戸棚から、
薬ビンを出すとそれを全て飲み干すと、
話題を変えた。
「最初は違う用事だったのだが…。あ・そうそう、夏祭りだ。近所でやるが、行ってくれないか?」
夏祭り?
何故に今夏祭りの話がここで出てくる?
「取りあえず金魚すくいやっててくれればいい。お前達が居るだけで良いんだが、どうする?」
「行く!いっきまーす!」
生徒会長が子供のように目を輝かせ凄まじい勢いで手が天を突いた。
でも、何か裏がありそうなんだよね…。
「何かしなきゃいけないことが無くても、その場で発生するってことは無いよね?」
「ああ、場合によってはある。簡単に言うとだな、警備員だ」
「警備員…ですか?」
ナオトは驚いたように聞き返したが、
サタンはうなずくだけだった。