ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode17 夏祭り【遊】 ( No.46 )
- 日時: 2010/07/07 11:42
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
網の上で金魚がもがく、足掻く、暴れる。
そうこうしているうちに網は破れ、金魚はまた元の水槽へと逃げていく。
そうして水槽の水があるうちはいい、生きられるから…。
無くなってしまえばそこまで、サカナは水がないと生きられない。
私たちとて…例外ではないのだ。
「よっし!398匹目!」
「取りすぎですよ、ミサト」
「何?ナオト、負け惜しみ?金魚の数で勝てなかったら綿飴とフランクフルトおごって貰うよん」
「いえいえ、まだ射的が残っているじゃないですか。ボクはそこで逆転させてもらいますよ」
なんだか…あの2人楽しそうだな、
今にも強盗が出てくるかもしれないのに、
場合によってはテロリストが出るかもしれないのに…。
ああ、いけない、なんだか最近ネガティブすぎるぞ私!
今回は精鋭が数名は言ったから大丈夫!
…………………………さかのぼる事40分前神社の裏にて…………………………
「と言うわけだ、仲良くしろ」
サタンが有無を言わせぬ鋭い眼で周囲を見渡す。
それに反論できる物は今までに見たことは無い、
それに、この中でも反論出来そうなのは、ワケのわかっていないような発言を連発中の生徒会長くらいだろう。
案の定、誰も何も言わず、任務をこなす事となった。
「君が元凶の黒鳶 流?俺は榊 忍。あの忍者はあ゛ー…気にすんな」
う〜ん、コイツは…男…?
では無くて女か。
何故に男装?まあ、それは今はおいて置こう。
こっちはもっと興味深い、夏だと言うのにマフラーをしている。
そんな目で見ていたら、忍が流に耳打ちした。
「アイツのマフラー、彼女の手作りらしいぜぇ」
いや、それよりも、社会の先生やってなかったっけ?
確か、鷲鷹先生。
授業の時は凄く気が小さいけど大丈夫なのかな…?
「失礼ですね、アレは無いでしょう。私は鷲鷹 千里です…よっと」
千里が自己紹介を終えた直後、流の直ぐ後ろの空間に胴回し回転蹴りを放った。
胴回し回転蹴りは危険だ。
空手家でも上手く扱う者は少なく、骨を軽く折るような威力が普通だ。
ただ、それは魔法の無かった私の時代、
この時代に強化されたそんな技が対人に使われたらとんでもない事になる。
その蹴りだけで人は殺せるだろう。
そんな危険極まりない蹴りが捉えたのは、ビル奪還時に私に攻撃を仕掛けてきたあの黒包帯だった。
それ以降、敵とは遭遇していないが、明らかに敵が何処かに潜んでいる証拠でもある。
故に、この祭りの間は気を抜けない。
「な〜に怖い顔してるの?流ちゃん」
「え?なんでもないよ」
その言葉の直後だった、目深にフードを被ったそいつを見つけたのは…。