ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode18 夏祭り【戦】 ( No.47 )
- 日時: 2010/07/08 15:34
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
そのフードは、見覚えがある。
嫌と言うほど見た、あの仮面の電撃男だ!
その電撃男が何故ここに?
そいつの行く先には…サタン !?
何を…話している?
「悪い、2人とも。用事を思い出した」
そういって、取りあえずこの2人から離れ、
追加メンバーの元へ向かう!
私たちは戦力外らしく、忍が、
『お前達みたいな餓鬼は大人しく金魚すくいでもやってろ、ここからは大人のお仕事だ』
とか言って、取りあえず敵を見かけたら始末せずに伝える事になってしまったのだ。
あの男装女が!テメーは私より年下だろうが!
ぼやいてるうちに、神社の一番高い鳥居に着いた。
どうやって創った事やら、でか過ぎる鳥居に飛び乗り、電撃男の事を伝えた。
しかし、聞いていた3人は、私とは違う所に視線が行っている。
神社の屋根の上らしい、3人の目線の先には…!
「何?あの気持ち悪いトカゲみたいな奴」
「……私の見たところ、あれはキメラですね」
「オイオイオイ、千里ィ。キメラって何だ?美味いのか?」
「本名で呼ばないでくれますか?」
千里のその言葉を無視して2人が話を続ける。
「違いますよ忍さん、美味しくはありません。合成魔獣です。…今見えているのは、多分…炎上魔人と岩石獣の類のキメラですね」
「よっしゃ、狩って来る!」
そう言うと、忍は鳥居から神社の屋根へと、
まるで無重力空間を闊歩するかのように屋根の上のそいつへと接近し、
思いっきりそいつを蹴り上げる!
蹴られたキメラは上空へ吹っ飛び、
その上から忍の蹴りの連弾が容赦なく叩きこまれる!
そして、動かなくなったのを見計らい、私たちの立っている鳥居に真上から叩きつける!
「ん〜…ちょい疲れたかな…?」
「そんな大技ばかり使っていたらバテますよ、敵の群れが、向こうから来ています」
鳥居上から、見たその光景は、私の予想を反してとんでもない物だった。
町の道路を埋め尽くす銀色の光を帯びた無数の人間の影!
その数は数え切れないほど多い。
それを察知したのか、金魚すくいをしていた2人も鳥居へと集まってきた。
「何事?楽しい事?不味い事?」
「両方ですよ、ミサトさん」
「千里センセも大変ですね〜、この数相手に何分持ちます?」
「如何でしょうねぇ…持って30分ですよ。私の方が」
「私もそんなモンかな…」
その会話中に全員が後ろから突然現れた巨大な魔力に身構える!
しかし、その魔力の正体はサタンだ、敵じゃない。
「戦争になりそうだな、ミサト!急いでこの神社の境内に居る人間を第2神社へと飛ばせ!」
「合点承知!」
「……あの蟻の群れみたいな奴等…、吹き飛ばれるか?やってみる価値はありそうだ、……」
サタンが深く息を吸い込む。
そして…、
「アース・ファング!」
中指で狙いを定め、呪文と共に敵の行進している地面に巨大な穴を開き、
何十名、何百名もの敵を一瞬で大地が丸呑みにした。
それを見て、敵が私たちの居場所を割り出したのか、
凄い速さで飛んでくる!
何だか…大変な事になりそうだ。