ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode22 夏祭り【説】 ( No.57 )
- 日時: 2010/07/10 18:03
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
奴は…動く気配が無い、恐らく死んだのだろう。
やはり、人殺し、目の前で人死にに慣れるものではない、
今までに何人もの敵をなぎ倒してきたが、
それは極限状態であって初めて出せた非情さであり、
私の現在の意識では不可能な事だ。
それを見抜いたかのように、レイリーがこの後の説明を始めた。
「では、ここからはミニチュアに非難させた人間をこの神社へ戻しましょう、ミサトさん、お願いします。そして、ナオトさんはそのまま会社へ戻ってください、流さんもです。リバーシ・ベル及び千里さんは周囲のパトロール、私と忍さんで鳥居から残っている敵を探し殺しましょう。社長は金魚すくいでもしていてください」
その提案に異議を唱えた者が数名、
というか、私と忍だけ異議を唱えた。
「私はまだ体力的にも平気だよ?」
「流さん、貴方はトレーニングです。精神面を強化してください」
「何で俺とお前で敵探しなんだよ!」
「忍さんは夜目が効くので。私もサーモグラフィー使いますので生物であれば見えます」
そういって、レイリーは空間を丸くなぞると大きな歪を発生させ、私とナオトを投げ込むと閉じてしまった。
…あれ?何でサタンも一緒に?
見れば周りは社長室…、
居る事を知って投げ込んだのか。
これはこれで丁度良い、あのことを聞くとしよう。
「ねえ、さっきの話の続き——…」
「ああ、言われなくともする。ヘキサリアの馬鹿共はな、兵隊を量産しようと考えているらしい。死んで人権の一切が無くなった、死んでも殺しても裁判にも法律にすら囚われぬ兵隊の量産実験をしているらしいが、気にするな。近々私が魔王として壊滅させに行く」
「私のことは何か言ってなかった?」
「ああ、"俺が殺すまで殺されないように頼む"と言われたな。どう見ても流、お前にほの字だ」
サタンはそれを言った直後にクックック…と不気味に、
それで居て楽しそうに笑った。
しかし、その笑も直ぐに消え、言葉を続けた。
「2ヵ月後、楽しみにしていろと言っていたな。どうやらヘキサリアを壊滅させる気らしい、無謀だな。流、お前には1ヶ月の訓練期間をやる、専属魔術教師をつけてな」
「そんな、1ヶ月でどうこうなんて!」
「安心しろ、1ヶ月で子猫を化け猫にまで変える私が言うのだぞ?」
いやー、待て待て待て、化け猫ってさ。
「化け猫って恨みを持って死んだ猫ならどいつでもなるんじゃないの?」
その言葉に再びサタンは笑う。
まるで、自分の生徒に間違いを指摘された先生のようだ。
「まったくだ、専属教師の件だが、魔神の片割れがやってくれる」
魔神…?
魔王より強いのが魔神か?
しかし、その前に、片割れとは…どういうことだ?