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Episode25  戦闘訓練【原】        ( No.69 )
日時: 2010/07/13 17:44
名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)

「魔法を磨く?その属性何とかって?何?」

流の質問攻めにヴァムは丁寧に答えていく。
とても慣れているらしく、例えが分かりやすい。

「魔法を磨くというのは精度を上げることです、教える側としては宝石の原石を磨く過程に近いのでそういいます。属性魔法とは、何かに特化した魔術の事です。流さんは『風』が得意のようですね、空気操作がその部類で、更に上級化すると空間を操作するまでになりますよ」

その説明を聞き、理解が出来たような気もするが、
今一よく分からない。
そんな表情を見てか、薄紫と言う風変わりな長髪に、
どうも眼のあわせられない普通にしているのだろうが無言の圧力を放つ、
ある意味サタンよりも生き物として本能から怖いと感じさせる、…猫耳?が私の前に来た。
そいつが私の手を掴むと同時に地面から足が離れる感覚が…?
その足が離れた一瞬の内に周囲の景色が一変した。
深い森の中、周囲には凄まじい速さで飛び回る黒い影、
そして目の前にはヴァムと奴。

「全員を煙水晶の森へ飛ばしましたが…これで良いのですか?この森は魔法初心者にはレベルが高すぎません?」

「高くは無い、ヘキサリアの特等兵8人を倒す程だ。もう少しレベルが高くても良いくらいだと思うが」

煙水晶の森?
でも、煙なんて何処にも上がってないよ?

「煙…上がってないよ?」

流のその質問にヴァムは楽しそうに笑いながら答えた。

「煙水晶とは言うが、煙を上げたりはしませんよ。その様な色をしているだけです」

「何でここの森なの?」

その質問に対しては今までに無く真剣な表情で答える。

「煙水晶は魔力を注入すると、文字通り煙を発するのが発見されました、なので空気操作…いや、変換ですね。それを鍛えるにはとても良い道具になるんですよ」

「それで、何をすればいいの?」

その言葉と同時に近くの岩陰からナオトたちが姿を現した。
それを確認し、ヴァムが修行内容を口にした。

「この森で2日間生き延びる。それだけですよ、この森は神経をすり減らす位警戒していなければ、死にますからね。それと、協力は無しですよ」