ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode26 戦闘訓練【敵】 ( No.72 )
- 日時: 2010/07/14 17:40
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
ヴァムがここから消えた後、この森の散策に移ったが、
この森……恐ろしく広い!
例えるのなら太平洋位って、それより小さいのだが今言えるのは、
広いの一言だけだ。
「ね〜え〜…ナオトォ〜」
散策開始2時間、終に生徒会長が音を上げた。確かに、この森で音を上げない方がおかしい。
私とナオトの体力は凄かったという事を改めて実感させられる。
高さ20mはあろうかという木の上を飛び回り、2時間も体力が持つのだから。
「ミサトさん、大丈夫ですか?流!休憩にしましょう」
その、休憩と言う言葉と同時にそれは襲ってきた。
あの時、体育館で見た色とりどりの小さな龍!
色によって種類は違うようだが、種類が違ったところで龍は龍、
子供でも十分すぎる戦闘能力を兼ね備えている!
「あの龍よ! 戦闘に備えて!」
龍達は流達を見つけたらしい、ある者は炎を吐き、またある者は空気の刃を飛ばす!
それに反撃し、生徒会長が得体の知れない打撃を与え、龍達を追い払う!
龍達が飛んできたその直ぐ横を見て、直人が身構える!
「あれぇ?ヴァムさんいわく1人づつで行動してるはずだけど……、まあいいや。鬼ごっこお〜終い! 」
誰だ?森の中だと言うのに黒スーツ……?
それの前にヴァムって!
「ゼナ!今はエアルダに幽閉中だと思ったが……?」
「甘いね、ナオトちゃん♪ゼナの力は魔法を使う一個大隊に匹敵するの、知ってるでしょ?」
そいつは倒れた巨木に座り、笑いながらナオトと会話をしている。
敵では……無い?
「今回はさぁ〜……知り合いのヴァムちゃんに頼まれちゃってね、君達と2日間鬼ごっこをするって」
「鬼ごっこォ?私ヤダよ、疲れるもん」
「生徒会長さんは動くのが苦手なのね。でも、動かないと直ぐにゼナの餌食に……」
瞬時に大木の上から消え、次に視界に入った時には既にミサトの首を狙って手刀を構えていた。
「……なっちゃうよ?」
それを直感で感知し、瞬時に避ける!
「何よ? 初めて会う人に斬りかかるのが貴方の礼儀?」
お前が礼儀どうこう言うなよ、一番無礼なのは生徒会長、お前だ。
そんなことを考えている間に、今度はミサトから私に標的が切り替わったらしい、
私に拳が飛んでくる。
その拳の強さは尋常でなく、私の避けた直ぐ後ろにあった大岩を殴り壊した。
「チッ! 早いな……」
「おかげ様で、生き返ってからずっと体が軽くてね」
ゼナは私から近くに居たナオトに標的を切り替えたらしく、今度はナオトに攻撃をするが全力で避ける!
「チョットタンマ!タンマだって!」
そんな言葉などお構い無しにものすごい勢いで蹴りのラッシュがナオトに叩き込まれる!
「案外硬いのね……? 何がしたいの? 」
ナオトお得意の形状変化で変形させた金属で全身を覆ったらしい、何かのアニメみたいになってる……。
「そういえばゼナさん、何故ここに?」
「良い質問だよ、ナオトちゃん。ゼナはね〜……今から皆殺すために来たんだよ」
その言葉の直後、数秒の沈黙の後にナオトがあせった様子で全員に呼びかけた。
「逃げろッ!」