ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode28 戦闘訓練【化】 ( No.74 )
- 日時: 2010/07/17 13:12
- 名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: aeLeTDX9)
森の中を歩き回る事約1時間、大分日も落ちて昼間には聞こえ無かった獣の鳴き声が聞こえてくる。
夜行性の獣と言う事は夜に行動しなくてはならない理由がある、獲物を捕らえるのに楽だったり、
自らの存在を隠して行動したり、その様な部類の獣が殆どだろう。
大した脅威ではない。
……雨が降ってきたな、凄い雨だ。
雨宿りをしようと木の洞に隠れた流に誰かが突然肩に手を置いた。
「やっほ!流!逃げ切った……みたいね」
いい加減すぎる性格の我等が減生徒会長だ。
生徒会長なら逃げる必要は……!
背中に反射鏡!……ゼナだ……。
「ミサト、一つ聞いても良い?スタンガンパニックとの戦闘で気が付いたんだけどさ、貴方の魔法、異質の物みたいだけど、何の系統?」
周囲の時間が止まったようにミサトは沈黙し、口を開いた。
「そんなの、私が知るわけ無いでしょ?」
口を開くと同時にゼナの姿に戻った。
姿が戻った事で私が動揺するだろうと踏んだのだろう、もの凄い威力の打撃が洞の中から木を叩き割った。
「生徒会長さんの魔法の実態は分からないけど、ゼナの魔法の実態は教えてあげるよ?ゼナはね〜……習攻を使うんだ〜」
習攻!使い手によって型がまったく違う武術!
正しくは、戦った相手の武術の型を取り込んで常に強くなる武術だが、厄介なのに変わりは無い。
どの様な武術を取り込んでいようと、組み合わせ方も使い手によって違えば、威力も使用者への反動も、
まったく違い、なおかつ何を取り込んでいるかは分からないと言うこの状態、分が悪すぎる!
「習攻って……化物並の観察力が要るらしいけど、本当に使える奴がいるなんてね」
「マジだよ〜、ゼナはレプトン細胞埋め込んでるからね。魔法が効かないし、魔力で体力が回復するんだぁ〜。だから、君にゼナを倒す事は無理!」
魔法が効かない !? 反則だ! 魔法を強化するキャンプだろ? これ!
そんな魔法が効かない相手を倒すなんて、無理が……!
『君は魔力に頼りすぎよ、もっと手の方を見ておくべきね』
そうだ、あの仮面の先生が言っていたな、
"肉体強化系の魔法は苦手?"
相手に魔法で攻撃するのではなく自分が強くなれば良いのか!
「魔法が効かなくても、私には持ち前の身体能力と魔力があるよ!」
ゼナがきょとんとした表情で流を見つめた。
「ゼナの話し、聞いてた?それに、ゼナはね、魔法も使えるんだよ?」
「何をするのかは楽しみにしてていいよ」
流の落ち着き、殺気に満ちた声が周囲から獣を遠ざける。
巻き添え食らう奴も居ないだろうし、攻撃開始だ!