ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Episode30  戦闘訓練【実】  ( No.79 )
日時: 2010/07/17 14:31
名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: aeLeTDX9)

「死んだら文句が言えない……それもそうね、殺す」

その言葉と同時にゼナが動く。
本気になったゼナを相手取るには私はまだまだ未熟だろう。
しかし、私にも"策"がある、非力な人間は知恵という名の"策"でトラやライオンを駆逐した。
その知恵は、人間にしかないものなのだ。
本気になったゼナは先ほどとは打って変わって口調が冷徹になり、何よりも先程よりも圧倒的に、それで居て確実に速く、正確な打撃を叩き込んでくる!
私もなりふり構って入られない、速く倒さねば私が確実に死ぬ!そう、これは演習ではなく本当の殺し合い!そして、今やっているのは必要な力を手に入れるための生死を掛けた試練!

「はっや……い!」

攻撃は何とか避けられる、でもこっちからの攻撃は避けられるうえ、まず攻撃できない!
防戦一方でこちらからしたら分が悪い、それに攻撃すればとんでもないパワーのカウンター……。
如何すれば !? 私の攻撃が当たる……?それを解決するのが私の魔法!

「エア・バインド!」

瞬時に足元で空気の網を展開し、遥か上空へ飛び上がる!
上空に飛び上がると相手からはいい的だが、私はブロックを使い自在に動ける!
それに、相手の反魔力石の無効化効果によって相手はこのブロックを使えない!私の勝ち!

「ちぃッ!ゼナがこれだけしか使えないと思った?甘いね、ゼナレベルになったら行動パターンが1万以上あるとおもいな、機械的にしか動けないんじゃないよ、機械的に動いていたんだよ。でも、これから死ぬ相手に教えても意味無いね、こういうのを冥土の土産って言うんだっけ?」

その言葉と同時にゼナの魔術が私を襲った。
また死んだのかな……?そんな中、

「油断した時点で負けている、油断すると言う事は相手の策略にはまっているからだ」

そう誰かが私の耳元でささやく様な気がした。