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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode35 戦闘訓練【実】 ( No.84 )
- 日時: 2010/07/21 20:56
- 名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: aeLeTDX9)
森の中で休む事1時間、空間が裂けてヴァムが迎えに来た。
実際、この森の魔力回復効果は凄まじく、殆どの傷も塞がり、骨折していたミサトに関しては、それすらをも完治させていた。
それを見た上で、ヴァムが聞いた。
「本当に行くのか?止めるのなら今のうちだ」
その言葉に言葉で反撃するかのようにナオトが返す。
「行かなくてどうする、その為の訓練……だろ?」
「まあ、その通りだ。そうそう、秋風 翔の知り合いは誰だ?」
翔の知り合いと言う言葉はここでは基本的に流を指す。
その言葉がどのような意味を持っているのかはその場合によって違うが、今回だけは良くない事だろうとは分かる。
「私だけど……?どうかしたの?」
「アレスが殺られた。戦闘能力、戦闘経験ではサタンにも引けを取らない殺人の神だったのだが……」
まさか、人違いだ!
翔がそこまで強いわけが無い、有り得ない!
第一、サタンと肩を並べる猛者を殺すなんて事不可能と言ってもいい、断言できる!
「まさか……有り得ないよ。私と同レベルだった奴が?」
その言葉を聞いてもなお、ヴァムの口調は重いままだった。
「私も最初は嘘だと思いましたよ、実際見るまでは。見てきましたよ、電撃で頭部が完全に炭化したのを砕いてあるところを!」
そこまで強い……?有り得ない、何か技を持っているだけだ、その技の内容さえ分ければ実際にそこまで強くても対応できる!
「それじゃあ、行くか!暇だな」
「遠足行くわけじゃないよ、ナオト。今から行くのは戦場、生きて帰る前に私は過去に帰るという目的があるんだ、死ね無いね」
「では、行きますか」
空間の裂け目をくぐり、地面に降り立つと、そこには誰の物かも分からない屍が幾つも転がっていた。
不快な臭い、不快な景色、そして人が死ぬときの不快な断末魔の悲鳴。
不快な時代になった物だ。
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