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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode39 実戦【死】 ( No.90 )
- 日時: 2010/09/15 21:09
- 名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)
周囲が森と化していても、壁が消えたわけではない。
幻だからこその恐ろしさと言う物があるのだ。
その恐ろしさその1、攻撃を避けるために動くと壁に当たって自爆する。
今からその危険に直面するのは言うまでも無い、ここは幻覚の森であっても実態は廊下である事に変わりないのだ。
神経を完全に研ぎ澄まし、迎撃体勢の時だ、
「上から……!」
刀剣の雨だとぉ !?
間一髪、電光石火でそれをかわすものの、避けた先には翔、つまり確実に止めを刺そうとしているのか!
そして、攻撃を避けた流が翔の電撃の手前まで来たときだった。
凄まじい轟音とともに、どうやら建っていたビルの残りが再び切倒されたらしい。
ビルを切倒した翼が翔の首を捕らえたらしい、まだ眼球の動く頭が体から切り離された。
その直後、爆音と同時に流の意識が飛び、再びまぶたを開くとそこには見るも無残な死体と瓦礫の山が目に飛び込んできた。
もちろん、流の目の前で首の飛んだ翔の死体も転がっていた。
熱は無く、冷えて動かず、
「な……嘘だ、嘘だよね? 何があったの……?」
再び周りを見渡すと、無数の黒包帯の屍も転がっていた。
幸い、サタンなどの仲間の死体は転がっていなかったが、次に気が付いた事で流自身が死に直面しているのが分かった。
無数の鉄骨が、流に突き刺さっていたのだ。
ちょうど、串焼きのように下にも誰かが刺さっていたが、死んでいる。
「生き返ったのに死ぬのかな……、私の行くところって、地獄だよねぇ——…」
その言葉とともにその場で意識が途絶え、聞き覚えのある声あのときの台詞が聞こえた。
「ったくよォ、今の時代ビルの屋上で生きるか死ぬかのデスマッチってセンスはどうかしてるぜ、黒鳶ィッ!」
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