ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Episode41  ニセモノ ( No.96 )
日時: 2010/10/11 11:41
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)

翔の体が傾くを確認するとヴァムは次弾を装填し、流へと向けた。
翔の背が地面へ接する。
それを確認し、ヴァムは、

「さようなら、流さん」

レールガンを発射しようとしたその時だった、

“ドン”

銃の音が屋上を駆け抜けた。
出入り口に、一人の少年が立っている。

「オマエ、誰だ?」

黒髪の少年はヴァムへ向って話しかける。
それを驚いたようにヴァムは見つめるが、それを止めるとヴァムは弾を装填し、レールガンを少年へと向けた。
それを見ると、少年は一言も発することなく銃を撃った。
指の間のパチンコ玉が弾け飛ぶ。

「オマエが誰かと聞いている、質問に答えろ」

少年は有無を言わさぬ眼光を向け、銃を構えている。
恐らく、流が一歩でも動けば少年は発砲するだろう。

「誰ですか、貴方は。何故ここに?」

「セキュリティ全部壊してきたんだよ、手間取ったがな」

「ほう、面白い素材ですね。是非とも欲しい」

ヴァムがその言葉を発した瞬間だった、ヴァムの首に漆黒の剣が突きつけられる。
突きつけているのは、

「誰でしょうか? 私の真似事をする命知らずな輩は」

……ヴァム !?
ヴァムの魔力の変化に呼応して剣は光を増していく。

「フン、ばれたか。だがまあ、それも計算済みだ。さっさと実験体回収させてもらうとしようか!」

「出来る物ならば、やってみなさい。させませんがね」