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　シオはブラウスの手首のボタンをはずし、まくりあげた。

「！？」

　ジュイは驚いた。
　シオの腕には、勾玉のタトゥーがあった。
　出っ張りが上を向き、その先が弧を描いて下に刻まれ、水の冠のような形になっている。

「この真玉（真玉）は、罪人には必ず付いている。これがあたしたちの力でもある」

　シオは手を勾玉にかざす。そして。

「禍々しき真玉よ。我に力を与え、ファールターに罰を」

『解！』

　勾玉のタトゥーが光った。
　ジュイはあまりのまぶしさに、眉間にしわを寄せる。
　次に目を開けると、シオが何かを持っていた。
　それはあまりにも、彼女に合わないものだった。

「おい、稲木…その剣なんだよ…？」

　それは、フェンシングに使うような剣だった。

「これは、閻魔がよこした武器、世露（ゼロ）。こういう武器を全部ひっくるめて『地罰』という」
「なんでそんなもん出すんだよ」

　シオがこちらを向いた。

「ファールダーが来たからだよ」

　その後ろで、顔がなく、代わりに大量の札が貼られた男が来た。