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　ジュイから光が爆発した。
　爆発した、というのが一番の表現だ。

〈ヒギッ〉

　札の男が尻もちをついて倒れる。

「これは…！」

　シオが声を上げた。
　ジュイは自分から光が燃えるようにあふれ出ているのに気づいた。
　何かの痛みでジュイは『手のひら』を左手で押さえ、顔をゆがめた。
　そっと、右の手のひらを開くと、そこには。

「真玉…？」

　鮮明に、くっきりと、勾玉のタトゥーが付いていた。

「それが…覚醒だ」

　シオが話しかけてきたことで、ジュイははっと我に返った。

「解と念じれば、武器がそこから抜ける…」

　シオをしばらく見ていたが、再び真玉に目を向け、手をかざす。
　なんとなく、やり方が頭の中に入ってきた。

『解！』

　電撃のようなものがタトゥーからとびだす。
　タトゥーを左手で叩き合わせ、ゆっくりと上にあげると、刀の柄が出てきた。
　そこから鍔が出れば、後は刀身がズブズブと出てきた。
　全て現れると、それは実に美しい、石楠花色の柄の刀だった。

（お前の名は…鎖威（サイ）か）

　ジュイが心の中でそう聞くと、刀は答えるように電撃を出す。

「俺は『臆病』を認めたんだ。だから、答えてくれよ」

　ジュイは重たい脂汗を流しながら、札の男を縦真っ二つに切り落とした。

〈オ、オノレェ！　罪人ガアア！〉

　斬られてから叫んだ札の男は、そのまま血を出さずに、パンッという破裂音とともに消えた。