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　——あの戦闘の翌日。
　ジュイとシオは普通に学校に登校した。
　ジュイの右手の真玉は消えていない。昨日のことを現実だと刻みこんでいるように残っている。
　シオの腹の刺し傷は治っていないようだが、普通に過ごしている。

「友達はできたかな？」

　こんなにも愉快に話しかけてくるのは、彼女しかいない。

「お前は友達できたんか、イオリ」

　ジュイは顔を伏せながら聞いた。右手は無意識に握っている。

「へっへ〜ん。聞いて驚けって感じ。十人だもんねー」

　ジュイは溜息を吐いた。

「俺は作んねーぞ。意地でも」
「全く頑固だねぇジュイは」

　そんな侮辱の言葉も、昨日のあまりにも非常識な出来ごとの記憶を辿っているため、耳に入らない。
　転校生、紅い目、罪人、獄罪逃れ、真玉、札の男、勾玉から出た剣…。

「ねえちょっと、聞いてる？」

　はっとして顔を少し上げると、イオリはむっとした顔になる。

「…なにを？」
「聞いてないし…。ねえ、一体どうしたっていうの？」
「ん…ま、色々ね」

　ジュイは軽く流したが、イオリはやはり納得いかないようだった。