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　受かった高校。
　あまりにも普通と言っていい、何処にでもある高校に着いた。
　昇降口に張られた模造紙に書かれた自分のクラスを確かめ、ジュイは自分の席に座った。
　まわりには、もう打ち解けたらしい生徒同士が追いかけっこをしたり、何か話して盛り上がっている。
　ジュイはその中に入る気がない。むしろ入りたくなかった。
　誰かが話しかけてきたような気もするが、「具合悪いから」と顔を伏せてボソリといった。
　入学式の時間になり、体育館に入った。体育座りで顔を伏せ、校長の話など、全く耳に貸さない。
　そして、転入生の紹介になった。
　イオリが朝言っていたことを思い出す。

———なんかきっつい性格らしいよ？———

　ふと、ジュイは顔を上げる。一年の転入生が右の方から来た。
　女子だ。
　イオリが言っていたように、たしかに性格のきつそうな女子だ。
　長い髪をポニーテールでまとめ、目はつり目。おまけにカラーコンタクトをつけているのか、目が紅い。
　マイクで自己紹介をし始めた。

「稲木紫央（イナギシオ）です。宜しくお願いします」

　簡潔だけど、それ以外に言うこともなかっただろ。

　ジュイはまた顔を伏せようとした。目を見開いた。
　シオはこちらを見ている。
　時が止まっているような気がした。
　暗闇の中で、紅い目に睨まれているよな感じがし、ジュイは背筋が寒くなる。
　はっと気づけば、もう入学式が終わり、教室に帰るところまでになっていた。