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- Re: ━ESP━『エスパー』28話うp♪ ( No.102 )
- 日時: 2010/07/11 20:42
- 名前: 遊太 (ID: KF4wky37)
29【ボディチェンジ】
「ぐぁっ!!!」
叫び声をあげたのはシャドウであった。
シャドウは胸に緑の電撃を喰らい、そのまま後ろに下がる。
刀は音をたてながら地面に落ち、円はその隙に影から抜け出すことに成功。
「貴様ら・・・移送車の時も・・・・」
シャドウは円の後ろにいる人物を睨みつけた。
「あんたと会うの、これで3回目ね。」
亜樹は呆れた口調をシャドウにぶつけた。
「貴様・・・許さん・・・」
「感情で動くな。理性を保てシャドウ。」
アガレスがシャドウに言ったその時だった。
「「お前の相手は我々だ!!!」」
紅夜と円が声を合わせ、刀を振りかざしながらアガレスに飛びかかる。
「おっと!!」
アガレスは軽々とした身のこなしで避け、そのまま天井に開いた穴から屋上へと逃げて行った。
「社長、我々が追います。社長は逃げてください。」
「深追いはするな。」
冥堂の言葉に、2人は頷くとジャンプして屋上へと出て行った。
「貴様は絶対に許すものかぁぁぁぁ!!!!!!」
シャドウは亜樹に向かって走ってくる。
「あんたの攻撃は分かるわ。昔と変わらないからね。」
亜樹はジャンプすると、両手に力を込める。
「ボディチェンジ‘ハイパーサンダー’」
亜樹がそう言うと、亜樹の体は一瞬にして電気化し、背中から電気の帯びた羽が生えた。
シャドウはその姿を見ると、一瞬躊躇うが不気味に笑った。
「習得したのか・・・・。まあいい。」
シャドウは自分の影に手を入れると、影の中から刀を取り出した。
亜樹はシャドウが取りだした見覚えのある刀を見ると、紅月のことを思い出した。
「それは紅月の!!!あんたが殺したの!?」
「俺は見ていただけだ。誰が殺したっけな〜ぁ?」
「くたばれゲス男!!!!」
亜樹は光の速さでシャドウの背後に回ると、そのまま頭を掴んで電撃を流す。
しかし、シャドウは大笑いしながら振り向き、亜樹の電気化した体に攻撃を繰り出した。
「なんで!?なんで効かないの!?」
「影に電気は効かないようだ・・・・残念だったな!!!」
シャドウが語尾を強くしながら、亜樹の顔面にパンチをする。
しかし、電気化した亜樹には物理的攻撃は効かない。
「成長したのはお前だけじゃないぜ。なんで俺がNPSを脱獄できたか教えてやろう。」
シャドウは自分の中に入り込む。
すると、信じられない現象が起きた。
「俺は、影と融合し、影を移動できるのだ。」
地面にあるシャドウの影。シャドウがその場にいないのに実在している。
「どういうこと・・・?」
「これはある意味無敵技だ。どんな攻撃も効かない。影を壊すことはできないのだ。」
シャドウは大声で笑う。
影からシャドウの声だけが聞こえ、姿しか映っていないので表情は分からない。
「さぁどうする?俺は攻撃できるが、お前は攻撃できない。」
「・・・・・あんた、馬鹿ね。」
「え?」
亜樹はそう言うと、なぜか社長室の奥に向かって走り出す。
「逃げる気か!?逃げろ逃げろぉ!!!」
シャドウは自身の影で地面をスムーズに移動する。
最早、亜樹に勝ち目がないと思われたその時だった。
「さようなら。」
「え?ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!!」
シャドウが日が照っている場所に行った途端、影の右半分が消失。
「そ・・・死にた・・・・く・・・・な・・・・い・・・・・」
シャドウの影は段々と消え、数秒足らずで跡形もなく消えてしまった。
「馬鹿ね。あんた、日がある場所でその姿は自殺行為よ。影の中で死ぬなんて、呆気ない。」
亜樹は電気化した体を元に戻し、制服姿で地面に降り立つ。
「三郎さんの所へ行こう。社長も助けないと!!」
亜樹はそう言うと、急いで下の階へと向かった。
13階 社長室
勝者 松本亜樹______