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Re: ━ESP━『エスパー』29話うp♪ ( No.103 )
日時: 2010/07/12 15:48
名前: 遊太 (ID: KF4wky37)

30【裏切り者現る】


1階 受付エントランス


「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
受付嬢である凪野は、突如襲撃したデーモン七魔将、シャックスとマルバスに追い詰められていた。
「お姉ちゃん、能力者じゃないの?」
シャックスは10歳という年齢に似合わない不気味な笑みを見せる。
「シャックス、こいつを俺が貰う。餓鬼にはまだ早い。」
「うるさいよ。階級下の分際で。」
シャックスの言葉に、マルバスは表情を変えた。
その時だった。

「うらぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

2人の後ろから、回し蹴りをしながら派手に三郎が突っ込んできた。
「分かりやすい攻撃だね♪」
シャックスとマルバスはそれぞれ左右に避け、三郎はそのまま凪野に駆け寄る。
「本井さん!!」
「逃げろ。俺に任せとけ。」
凪野は頷き立ち上がると、急いで会社から出て行った。
シャックスは相変わらずニヤニヤと笑っている。マルバスは表情を変えず、三郎を見つめる。
「お兄さん・・・能力者だね?」
「子供だからって容赦はしないぞ。会社は守る!!!」
三郎は両手をドリルに変え、そのままシャックスに向かう。
しかし、左からマルバスが三郎に追い付き、三郎の顔めがけて左キックを仕掛けた。
「喰らうか!!」
三郎はしゃがみ込んで交わすと、そのままマルバスの腹部にドリルを向ける。
マルバスは交わすことができず、ドリルはマルバスの腹を貫通した。

「ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

床に血が飛び散り、三郎にも返り血が飛んできた。
三郎がドリルを抜きとると、マルバスはそのまま目を白くして絶命した。
「第7魔将のくせに・・・・弱いな〜ぁ。」
仲間が死んだにも拘らず、シャックスはため息をつきながら呆れていた。
「僕には勝てないよ。そこのおっさんよりも強いからね♪」
「戯言だ。お前も生かすものか!!」
三郎は再びドリルを構えると、シャックスに向かって走り出す。
「やれやれ〜ぇ。」
シャックスは不気味に笑い、歩きながら突進してくる三郎に向かってくる。
三郎は不審に思うが、躊躇わずにドリルをシャックスの小柄な体に突きつけた。
その時だった。


「触れた者を奪う・・・・収奪!!」


シャックスは生身の手でドリルを触る。
その瞬間、三郎の右ドリルが右肩から丸ごと消え去った。
「え?」

ブシュゥゥゥゥ!!!!

三郎の右肩切断部分から、大量の血が溢れだす。
「こっちの手もね♪」
シャックスは躊躇なくもう一本の左手にも触れた。
すると、右手と同じように左肩から丸ごと消えた。
「あ・・・・嘘・・・・だろ・・・・・」
両肩の切断部分から溢れだす血が、1階の床を真っ赤に染める。
両手を失った三郎は、そのまま床に倒れ込み意識が薄れていく。
「ほらね♪バイバーイ!!」
シャックスは10歳の力とは思えない力で、床に倒れている三郎を蹴飛ばした。

ガシャァァァァァン!!!!!

三郎は窓を突き破り、そのまま会社の横にある花壇に叩きつけられる。
「弱い♪弱い♪みーんな弱い♪」
シャックスは歌にスキップをしながらエレベーターに入り、上へと向かって行った。


1階 受付エントランス


勝者 シャックス_______



***********



会社 5階



「はぁ・・・・はぁ・・・・・」
会社の上層部の人間である篠左記は、頭から血を流しながら廊下に立っていた。
「あなたが・・・・なぜ・・・・・」
篠左記は目の前にいる黒いコートにフードを被った男に言う。
男の顔は見えないが、口には煙草を咥えている。
「・・・・貴様が・・・・裏切り者か・・・・」
篠左記がそう言ったその時だった。


「サァナ」


男は変声機で声の音程を変えており、高い声でしゃべる。
「クタバレ」
男は篠左記に向かって走り出すと、目の前でジャンプして篠左記の頭を掴む。
「サラバダ」
男は篠左記の顔面を床に叩きつける。無論、すでに重傷を負っていた篠左記はその一撃で気絶した。
「ワレワレガ・・・・セイギナノダ・・・・・」
裏切り者はそう言うと、その場から歩き去った。