ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ━ESP━『エスパー』39話うp♪ ( No.138 )
- 日時: 2010/07/20 16:17
- 名前: 遊太 (ID: KF4wky37)
40【第2の東京支部】
新宿区 東新宿
冥堂、円、亜樹、篠左記の4人は、第2の東京支部前に着いていた。
「ここ・・・ですか?」
亜樹と円は、目の前にある15階建ての高層ビルを見ながら言った。
明らかに、前の会社のより全然良い創りの会社だ。
「ここは全てのセキリュティが充実し、ある事件がきっかけで建設したものだ。まさか、使うときがくるとは思わなかったけどな。」
冥堂はそう言いながら、ポケットからカードキーを取り出す。
自動ドアの横にある機械に当てると、ドアが開くようになっていた。
「厚さ5センチの防弾ガラス、壁は全て鉄製。以前の会社より防御数も上がってる。」
「な、なんでこちらを使わなかったのですか?」
円の質問に、冥堂は笑いながら答えた。
「こっちは全てが備わっているが、その分電気代がかかるんだよ。はっはっはっは!!!」
「はっはっはって・・・・」
円と亜樹は失笑し、どうリアクション取ればいいのか分からなかった。
「まあ、君たちは休んでなさい。関東の全支部に連絡を取り、応援を呼ぶ。」
冥堂はそう言うと、会社の中へと足を進めて行った。
残った3人は、設置されてあるベンチに座り、目の前の大通りを見つめる。
「まだ、お昼すぎなんだ。」
「あの戦い、長く感じたね。」
円の言葉に、篠左記と亜樹は賛同する。
「よし、俺は社長の手伝いをしてくる。お前らは休んでいろ。」
篠左記はそう言うと、カードキーを取り出して会社の中へと入って行った。
2人はその光景を見ると、ようやく理解した。
どうやら、カードキーを持っているのは上層部の人間だけの様だ。
「・・・・ちょっと、眠たくなっちゃった・・・・」
ドサッ
円は亜樹の膝の上に、バタリと倒れた
「疲れたんだね。おやすみなさい。」
亜樹は円にそう言うと、静かに目を閉じた。
**********
東京支部崩壊跡地の近くの建物の陰
気絶した三郎を抱えた天馬と算介は、ようやく足を止めた。
「もう大丈夫だろ・・・・」
「うっ・・・・」
算介の言葉で、三郎は頭を押さえながら目を覚ました。
三郎は目を覚まし、目の前にいる2人を見ると表情を変える。
「お、お前ら・・・・なんで・・・・」
「学校から、この場所見たら黒い煙上がってるの見えて・・・・。算介と飛んでやってきました。」
天馬は算介と顔を合わせながら言った。
三郎は怒鳴ろうとしたが、笑顔で2人を見つめる。
「ありがとう。それで、ほかのみんなは?」
「分かりません。・・・・あれ?」
天馬は崩壊跡地に着いた千葉支部の人間を見つけ、2人の顔を見た。
「あの人は・・・マルコス社長!!!」
三郎が叫ぶと、マルコ、紅夜、涙香、草屋はこちら振り向いた。
すると、草屋が3人の元へ駆け寄ってきた。
「みなさん、大丈夫ですか!?」
「あぁ。仲間に助けられたよ。」
三郎は天馬と算介を見ながら、笑顔で言った。
しかし、草屋の様子がおかしい。なぜか顔色が悪い。
「どうした?」
「い、いや・・・来てすぐ見つけたのですが・・・」
草屋はそう言うと、マルコ達が立っている場所を指さす。
3人は立ち上がると、急いで瓦礫の山を駆けてその場に駆け寄る。
すると、3人は足を止めて唖然とした。
「これは・・・・東副社長!?」
「殺されてる。恐らく、荒井の仕業だ。」
マルコは東の傍にあった薬莢を拾い上げ、悲しそうに言った。
紅夜に涙香は、涙を流しながら東を見つめる。
「なんで・・・・どうしてですか?」
天馬は率直にその疑問が思い浮かんだ。
荒井は、天馬と塔子がクライムに襲われたときに助けてくれた。
それに、とても優しい千葉支部の社員である。
「で、その荒井っていう奴は?」
算介の言葉に、千葉支部の全員が顔を合わせる。
すると、草屋が口を開いた。
「彼は、ここに来る途中に逃走しました。ここで東副社長の遺体を見つけて、荒井さんが裏切り者だと分かったのです。」
草屋の言葉に、三郎は頭を抱え込む。マルコもため息をつく。
「荒井・・・なぜだ・・・・・」
マルコにも、荒井が裏切ったことはかなり致命傷らしい。
この場にいる全員はそう思っているに違いない。
「とりあえず、遺体は千葉支部の社員を呼んで引き取ってもらう。君たちは、草屋と共に冥堂の元へ行け。」
マルコの言葉で、三郎は首を傾げて聞き返す。
「そう言えば、社長は?」
「違う場所に行った。草屋が先導する。」
草屋はそう言うと、3人を引き連れて第2の東京支部へと向かった。
**********
NPS 国家機密刑務所前
黒いフードを被り、コートに身を包んだアガレス、カイム、シャックス、エリゴス卿、ルシファー。
5人はNPSを見上げ、顔を合わせる。
「襲撃ポイントは計画通り。看守や邪魔する者は全員殺せ。それでは、第2段階へとはいる。」
アガレスはそう言うと、両手を前に出して灼熱の炎の球を作りだした。
炎の球はサッカーボールほどの大きさだ。それを10個作りあげる。
「ファイヤー・ボール」
アガレスの周りを浮遊する炎の球は、NPSに向かって勢いよく飛んで行った。
そして、建物に直撃した瞬間、5人はNPSめがけて走り始めた。