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- Re: ━ESP━『エスパー』44話うp♪ ( No.152 )
- 日時: 2010/07/25 20:08
- 名前: 遊太 (ID: KF4wky37)
45【デーモン七魔将軍団VS東京支部】
新宿区 第2の東京支部
「社長!!東京のあちこちで煙が上がっています!!」
円は窓から東京を見渡し、愕然とした表情で冥堂に言う。
「・・・・奴らの仕業か・・・・、各支部へ連絡をとってくれ。」
「そ、それが、電波をジャミングされてます・・・」
円は携帯を取り出し、画面を見せる。
携帯は東京のど真ん中にも関わらず、電波がまったくない状態だ。
「NPSの受刑者に、ジャミング能力を持った能力者がいるんだろう・・・。円、東京に散らばっている社員全員のトランシーバーの電源を作動してくれ。」
「分かりました!!」
円は命令を聞くと、社長室の隣にあるセキリュティシステムに入り、複数のパソコンの前に座る。
キーボードを素早く打ち、全員のトランシーバーの電源を入れた。
「東京支部の社員に告ぐ。敵が東京に侵入し、攻撃を始めた。市民の安全を重視しながら、敵を一人残らず倒せ。殺してもかまわん!!」
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中野区
任務で中野区を訪れていた亜樹と三郎は、冥堂の言葉を聞いて顔色を変えた。
「東京を!?三郎さん・・・・」
「やばいな・・・・会社は社長に任せて、このあたりの住民に避難を呼びかけるぞ。」
三郎は車を通りの脇に止め、車から降りる。亜樹も続けて降りた。
遠くの方を見ると、渋谷区と杉並区の方から無数の黒い煙が空に伸びている。
「三郎さん!!あれ!!!」
亜樹が空を呼び指して叫ぶ。三郎は、すぐに上を見上げた。
空から、炎の塊と黒い煙がこちらに向かって飛んでくる。
「危ない!!避けろ!!!」
ガシャァァァァン!!!!!!
炎の塊は、三郎達が乗っていた車を吹き飛ばしながら地面に着陸した。
更に、2つの黒い煙も地面に着陸する。
炎の塊と2つの黒い煙は人の姿へと変わり、炎の塊はアガレスに変貌を遂げた。
「貴様ら、あの時に会ったな。」
アガレスは2人を見ながら言うと、黒い煙の中から現れた2人の男に命令を下す。
「ザレオス、アロケル。お前たちは、男を頼む。」
アガレスは黒い服にマントを着たザレオスとアロケルに言う。
「了解しました。」
「へっへっへ・・・・久々に暴れるぜ!!!」
ザレオスは奇声を上げながら煙に変わり、そのまま三郎を亜樹から引き離した。
「な、は、離せ!!!」
アロケルも煙へと変わり、ザレオスと共に三郎をその場から引き離してしまった。
亜樹とアガレスは目を合わせると、アガレスが最初に口を開いた。
「シャドウを殺した能力者が、どれほどの者か楽しみだな・・・・」
「望むところよ。あんたを殺して、全部止めてやる。」
亜樹は両手から雷を出し、アガレスは灼熱の炎を両手から出す。
中野区 亜樹VSアガレス______
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港区 レインボーブリッジ
橋の上を車で走行中の三木と雪里深帆は、港区芝浦からお台場方面へと向かっていた。
しかし、連絡を受けるとすぐ様港区に引き返す。
「雪里さん!!瞬間移動で会社に移動できないんですか!?」
三木は軽自動車を繊細に運転し、車を次々と追い越して行く。
「それが・・・・できないの・・・・」
「はぁ!?」
三木は運転をしながら驚いた。
「能力が使えない・・・それに、あれは何?」
雪里は車内から、東京の空を指さした。
三木も外を見ると、東京の上空が薄らだが赤く染まっている。
「あれは・・・・結界・・・・!?」
そう。三木の言葉はあっていた。
東京都はデーモン七魔将により、結界を張られて外部からの侵入や情報を遮断。
更に、結界の中にいる人間はどこにも逃げられない状況となっているのだ。
そんなことはまだ誰も知らない。
そして、戦いは段々とエスカレートしていく一方だった。
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「いいねぇ・・・・人の悲鳴・・・・」
高層マンションの屋上から、バエルは東京の街を見下ろしていた。
東京のあちこちで煙や爆発音が聞こえ、その光景は映画そのものだった。
「東京を拠点とし、世界を征服。意外に簡単そうだな。」
バエルは笑顔でそう言う。その時だった。
「やはり、お前の仕業か。」
バエルは突然の声に驚き、後ろを振り向いた。
すると、そこにはスーツを着た冥堂が普段見せない表情で立っていた。
「あなたは・・・・東京支部の・・・・」
「何十年ぶりかな・・・また、お前と会う日が来るとは思わなかったよ。」
冥堂の言葉にバエルは鼻で笑う。
「運命の悪戯ということにしておきましょう。星宮さんはどこですか?」
「彼は今いない。貴様は、私だけで倒す!!」
冥堂は両手を光に変え、光の中から金色に光る槍を出した。
バエルは漆黒のマントを靡かせながら、両手から黒い電撃を放出する。
「私の間違いだった。貴様を会社に入社させたのは私の失敗だ。」
「今更悔やんでも遅いですよ、社長♪」
「ふっ・・・それもそうだな。第1魔将バエル・・・いや・・・」
神谷零________
