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- Re: ━ESP━『エスパー』46話うp♪ ( No.156 )
- 日時: 2010/07/28 18:15
- 名前: 遊太 (ID: KF4wky37)
47【松本亜樹の戦い】
天馬、将、七海
3人は学校を飛び出し、戦場となった東京を駆け抜けていた。
「ぎゃぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
天馬達の頭上を、燃えながら飛んでいく男性。
恐らく、東京支部の社員だろう。
「走れ!!!敵はそこら辺にいるんだ!!!」
天馬は先頭を走り、目の前に出てくる敵に備える。
後ろからついてくる2人は、辺りを警戒しながら慎重に足を進めている。
「あそこだ!!行こう!!」
天馬が目指していた場所。
それは、天馬が住むダイヤモンドマンションだった。
「ここって・・・・天馬の家やん。」
「家に来てどうすんの?」
「俺の父さんは防衛省の役人だ。近くを見ろ。」
天馬の言葉通り、2人がマンション周辺を見渡すと、武装した自衛隊がマンションを守るように待機している。
「とりあえず、ここに隠れてて。」
3人はマンションに駆け込むと、そのまま天馬の自宅へと向かった。
***********
「父さん!!母さん!!塔子!!」
「天馬!!」
玄関に入ると、英明が大慌てで天馬の元へ駆け寄ってきた。
由美子も駆け寄ってくると、天馬を力いっぱい抱きしめた。
「大丈夫か!?怪我はないか!?」
「う、うん。それより、塔子は・・・・?」
天馬はいつも元気な塔子がいないことに逸早く気付いた。
すると、英明と由美子の表情が青ざめていく。
「ま、まだ中学校なんだ・・・・」
「え?」
天馬は英明の言葉を聞き、一瞬動きが止まった。
「急がないと・・・・」
天馬は振り向き、家を飛び出そうとする。
だが、由美子が天馬の手を掴んで拒んだ。
「あなたはここにいなさい!!自衛隊の方が今行ってるから安心して!!」
「安心できるかよ!!塔子は・・・・・」
天馬はこの時、初めて由美子に反抗した。
そして、それを気付いた天馬はどうすればいいのか分からない。
「将君、七海ちゃんは奥にいなさい。」
「あ、は、はい・・・・」
2人は気まずい空気を抜け、リビングへと向かって行った。
玄関に立つ3人の沈黙は続く。そして、その沈黙を破ったのは英明だった。
「天馬、お前が行ってもどうしようもない。ここは、政府に任せるんだ。」
「政府?政府にはどうしようもできない。これは・・・俺達の戦いなんだ。」
天馬は2人の方を振り向き、右手を前に出した。
そして、右手の手のひらから真っ赤に燃える炎を出す。
「なっ!?」
英明と由美子は天馬の超能力を見ると、動きが止まり右手に視線が向く。
天馬は炎を消すと、振り向いてドアを開ける。
「俺は・・・みんなと違うんだ・・・・・」
天馬は最後にそう言い残すと、そのまま家を飛び出して塔子がいる筈の中学校へと向かった。
***********
中野区
アガレスと亜樹は、にらみ合いを10分以上続けていた。
「あなたは・・・・どうしてこんなことをするの?」
「貴様に知る必要はない。」
アガレスは両手から紅蓮の炎を出し、亜樹に向かって走り出す。
亜樹は両手から緑の電気を出すと、アガレスめがけて放出した。
「アガレス第2魔将・・・・その名が、お前を殺す男の名だ!!」
アガレスは電撃を避け、地を蹴りジャンプした。
そして、灼熱の炎を雨の様に変えて攻撃する。
「レインファイヤー!!」
亜樹は近くにあったコンビニに駆け込み、灼熱炎の雨を避ける。
アガレスは地面に着地すると、コンビニと亜樹に向けて両手を出した。
「そこに逃げ込んだの失敗だったな!!」
「それはどうかな?」
亜樹は店内に設置されてある消火器2つを抱え、そのまま窓ガラスを割ってアガレスに突進する。
「なにっ!?」
「消火器って、破裂したら霧になるんだよ。」
パン!!
亜樹は意図的に消火器を破壊し、その瞬間、辺りが白い霧の様なものに包まれた。
「くそっ!!無粋な攻撃を!!」
アガレスは炎で霧を振り消す。しかし、そこには亜樹の姿がいない。
「・・・・逃げられたか。」
アガレスが両手の炎を消した次の瞬間だった。
「おりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
アガレスの足元のマンホール下から、亜樹が電撃を帯びた右手でスカイアッパーを喰らわした。
「お前!!あの一瞬で!!」
攻撃はアガレスの腹部にあたり、そのまま後ろへと吹っ飛ぶ。
「現役女子高生なめんなよ!!」
亜樹はガッツポーズを見せる。
アガレスは腹を押さえながら立ち上がると、表情を変えて亜樹を睨みつけた。
「本気でやらないと、無理らしいな・・・」