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Re: ━ESP━『エスパー』48話うp♪ ( No.158 )
日時: 2010/07/29 18:31
名前: 遊太 (ID: KF4wky37)

49【最後の意思】

─亜樹vision─

あぁ・・・算介・・・・・
私の霞む視界の中、算介がアガレスに殺されてしまった。
「ま・・・だだ・・・・・・・」
右手を失った今、左手に最後の力を込めて立ち上がる。
しかし、この痛みは尋常じゃない。右手の感覚がないのは不思議だ。
「ん?まだ生きていたのか?」
アガレスは、亜樹の方を振り向くと両手を炎の槍に変えた。

どうやら、私はここまでらしい。

まだ、18歳の女子高生なのに、ここで死ぬのか。

どうせ死ぬなら、かっこ良く死んでやる!!


「あんたなんか、殺してやる・・・・」
「ほぅ・・・・口は達者だな。だが、ここまでだ。」
アガレスはそう言うと、亜樹に向かって走ってくる。
攻撃を避けれる体力は持っていない。
受け止め、耐えて、攻撃を喰らわせてアガレスを倒さないといけない。

「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」

アガレスは亜樹の腹部に炎の槍を突き刺した。
槍は貫通し、背中から先端が出てくる。
痛い・・・・後一本・・・・

「うらぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

容赦ないアガレスの攻撃。2本目の炎の槍は、胸の真ん中に突き刺さる。

「あ・・・・」

いつ意識がなくなってもおかしくない。
だが、ここは耐えるんだ!!!

亜樹は残っている左手に、電撃を溜める。

「天・・・・馬・・・・・後は頼むよ・・・・」

私は、最後の力を振り絞って、左手をアガレスの心臓に当てた。

「あ?それがなんだ?これで最後の攻撃か・・・・」

アガレスは鼻で笑ったその瞬間!!



バリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!!!!



「ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
左手に込められた電撃が、一気に外へ放出された。
アガレスを通じ、亜樹までもが電撃を喰らう。

天馬・・・・三郎さん・・・・みんな・・・・・・




「今まで・・・・・ありがとう・・・・・・」





_________








ドサッ






数秒経ち、黒こげとなった亜樹は地面に倒れた。
アガレスも黒こげだが、尋常でない精神力で意識を保つ。
「くそが・・・・・俺は・・・・・まだ・・・・」
アガレスが一歩前に踏み出したその瞬間。

バスッ!!

アガレスの左足が、ボロボロと灰になっていく。
アガレスは自分の左足を見た瞬間、白目をむいてその場に倒れた。
倒れた衝撃で、アガレスは灰となり、風に吹かれてどこかへ消え去った。



「天馬・・・・・・・」



亜樹は最後の力を振り絞り、天馬の名前を呟く。

そして、静かに目を閉じたのだった。