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Re: ━ESP━『エスパー』一時更新停止 ( No.52 )
日時: 2010/07/03 15:48
名前: 遊太 (ID: KF4wky37)

14【計画阻止】

渋谷区 廃ビル

クライム、火山は柳沢の瞬間移動で廃ビルの3階に現れた。
「よし、一旦休んで3分後に襲うぞ。」
「分かりやした!!」
「志村はどうするの?彼なしでやる気?」
柳沢の言葉に、クライムは首を横に振る。
「太陽には色々説明してある。彼も今頃は奴らの会社に向かっているはずだ。」
クライムはそう言うと、天井のない上を見上げ、青い空を見つめる。
「我々の邪魔をする者は、悪なのだ。必ず、断罪する。」


「ご立派だね〜ぇ。」


3人は突然の声に驚き、後方を振り向く。
3人の後ろには‘アビリティ’の社長である冥堂に、刀を腰に持つ男女がいた。
「・・・あんた、知ってるよ。」
クライムは冥堂の顔を見ると、ニヤリと表情を不気味に変える。
「ほぉ・・・。私のことを知ってる?」
「そうさ。あんた昔、政府で・・・・」


「口を慎め!!!」


クライムが話し始めた途端、冥堂の右に立っていた木枯紅月が剣を構えて襲いかかる。
すると、クライムの横にいた火山は両手から炎を出し、真剣白羽取りをした。
「なめんでくれや!!」
「それは・・・俺のセリフだ!!」

ブシュ!!

「あ・・・が・・・・!?」
火山は突如、血を吐きだしてその場に倒れる。
木枯の左目からは血が流れ、平然と血を拭きとる。
「俺の能力は左目で見つめたものを破壊する力。お前の神経、血管をいくつかつぶしてもらった。」
「くそ・・・が・・・」
火山は両手から炎を出そうとするが、神経が破損し動かせることさえできない。
クライムは火山を見て舌打ちをすると、柳沢の方に走りだす。
「烈香!!逃げるぞ!!」
柳沢がクライムに向かって手を伸ばす。
その瞬間だった。

「させないわよ!!」

剣を両手で持ったまま、村佐円は髪を靡かせ2人の間に飛び込む。
と同時に、剣はスタンガンに変わり柳沢の腹めがけて突きつけた。

「あぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

柳沢は悲鳴を上げ痙攣を起こし、一瞬でその場で気絶した。
クライムは足を止め、冥堂の方を向き睨みつける。
「なぜ・・・ここに来ると分かった?」
「君とは顔見知りで、性格も知ってるからね。君は計画を確実に行う人格だ。ここに寄ると思ったんだよ。お父さん似の性格だね、やっぱり。」

「黙れ!!」

クライムは叫び、気絶している烈香の手を握る。
すると、烈香は薄らと目を開きクライムの手を握りしめる。
「今回はやめだ。また会おう。」
クライムはそう言うと、烈香と共にその場から姿を消した。
しかし、冥堂、木枯、村佐は止めることはせず、安堵の息を漏らした。
「その男はこちらで身柄を拘束する。紅月、円、帰ろうか。」
紅月は気絶している火山を抱え、3人は会社へと戻って行った。

**********


百宮学園高校


騒ぎで警察も動き出し、天馬は算介と亜樹と三郎とともに裏門から学校を抜け出した。
元々止めてあった会社専用の黒いバンに乗り込むと、ひとまず安堵の息を漏らす。
「社長からの報告だ。クライムを追い返し、敵の一人を拘束した。」
「マジッすか!?」
算介はその言葉を聞いてガッツポーズをする。
天馬もその言葉を聞いて安心した。
「とりあえず、ここは警察に任して会社に戻りましょう。」
亜樹の言葉に全員に賛同する。
「よっしゃ!!会社戻るぞ!!!」
三郎はエンジンをかけ、会社へと車を出発させた。