ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode3 蘇生者 ( No.6 )
- 日時: 2010/07/02 17:22
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
この会社は、殺し屋の集団らしい。
それに、俺の聞かされた話だと、魔法というものを使う。
その上、信じたくは無いが、今は西暦4000年らしい。
なんともワケのわからない事になったものだ。
取りあえず俺に与えられた仕事は、俺と同じ生き返った者、
つまりここの会社の言葉では、蘇生者の探索、
及び回収らしい。
この会社の長い会議に俺も出席して、
俺はこの会社で実験体として魔法教育を受け、
平気の開発に協力すれば自由な仲間の居た時代へと返してやると言われた。
この会社は怪しいが、今はそれを信用するしかない。
「で?蘇生者特有の魔法電波を感知する装置を付けられた状態で街中歩き回れって?」
「そうだ、腕時計…が分かりやすいだろう」
取りあえず言われるがままに装置を付けられ、
会社から放り出された。
"散歩をしている気分で周囲を歩き回ってみるとしよう"
そんな気分で歩き初めて6分後、腕時計が振動している…?
その不快な振動を、スイッチをがむしゃらに押して止めた。
その時だった、そいつと遭遇したのは…。
「ねえ君、これからおじさんたちといい所行かないか?」
ナンパされていたが、そんなことはこの際どうでもいい。
取りあえず様子を見ていると、驚いた事にそいつはナンパしてきたオヤジ1人に見事な蹴りを放ち、
吹き飛ばして、後ろで光り始めたチューブ入りネオンを砕いた。
それを見て、残りの2人は恐れをなしたように逃げていった。
確かめついでに会社へ連れて行くとしよう。
そう考え俺はそいつに声をかけた。
「貴方は…生き返った人間だそうですね?」
「私?ええ、おかげ様でよく分かんないけど生き返ったみたいね」
「俺と来てもらう」
「一緒に行くって…何処に?」
完全に警戒されている、しかし今はそんなことなど構って入られない。
「何でも良い、俺はお前を組織に連れて行く任務がある。腕をもごうが足をもごうが、生きてさえ居ればいい。大人しく俺に付いて来るか、半殺しにされて引きずられるのが良いか選べ。5秒以内だ」
ああ、俺って何でこんな短気なのだろう?
その言葉には明らかに殺意が篭っていて、
俺自身殺し屋を前世でやっていたのではないのかとまで思った。
今の今まで鳴いていたカラスはその言葉一つで泣き止み飛び去るし、
セミですら沈黙する…なんだか悲しい。
取りあえずカウントダウンを開始した。
「…5…」
「…4…」
「…3…」
「…2…」
「…1…0…。お前を壊して持って帰る」
「出来るものならね」
この姿と言い、この気が強い事と言い、
本当に黒鳶ソックリだ。